坐骨神経痛とは何らかの原因で、腰から足に向かって走る坐骨神経とういう太い神経が圧迫されて腰や足に痛みや痺れが生じる症状です。

一般的に、お尻から足の外側や後ろ側に起こる痛みとして知られています。
痛み方は人それぞれで、動いたときだけ痛い、長時間立っていたり、座っていたりするときに痛い、何をしていても痛いなどがあります。
足の力が入りにくい、排尿や排便がしにくいなどもあるとされています。

★坐骨神経は腰椎からはじまり足に広がっている

 

坐骨神経痛は症状の一つであり、個々によりそれを起こす疾患があります。

いろいろな原因があり、最も多いのは若い方や中高年の方では腰椎椎間板ヘルニアです。

中高年、高齢者で多い傾向にある腰椎分離症、すべり症、腰部脊柱管狭窄症などで神経が圧迫されることでも痛みが生じます。

女性ではごく稀ですが、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの病気や妊娠に伴って神経が圧迫されて坐骨神経痛が出ることもあるそうです。

 

生活習慣により、脚に向かう血管が喫煙、動脈硬化などの影響で狭くなり、足への血流が低下してしまうこともあるといわれます。

また、先天的におしりの筋肉に坐骨神経が挟まれてしまっている場合などにも痛みがあるといわれます。

 

ライフスタイルでは重たいものを持つなど、腰への負担がかかる仕事をする方、強度の高い運動を行う方、長時間座っていることが多い方に起こりやすい傾向があります。

瞬間的な強い負荷で腰椎の怪我を起こしてしまったらそれを治療することが優先ですが、日常で体にかかる負担であればそれを取り除いていくことが予防や改善となるかもしれません。

 

個人差はあると思いますが、体を温めたり、筋肉をもみほぐしたりストレッチをすることが緩和につながる一つの方法です。

 

痛み止めで収まるということもあるので医療機関から診断を求めることも大切なことです。

 

●坐骨神経痛の予防のために

当然のことですが、坐骨神経痛の予防には腰に負担のかかる姿勢を心がけることが大切です。

無理な姿勢になるように体を捻ったりしない、重たいものを持つときには体に近づけて両手で持つなど、日常で蓄積される腰への負担を軽減していくようにしましょう。

また、立っている時よりも座っているとき、座って前かがみになっているときのほうが腰椎にかかる負担が数倍になります。

体力的には楽なかたちでも部分的には負担が高いものです。

 

特にデスクワークで長時間、座ったまま、おしりに重さをかけたままでいることが多い世の中です。

また、在宅勤務が多く取り入れられて自宅でのパソコン業務が増えています。

仕事をするためのオフィスと違い、パソコンデスクや事務作業に適したデスクや椅子が整っていない環境で行うことが多くなっていると思います。

それにより腰が痛い、おしりが痛いといったことも現れているように感じられます。

さらに、数年前によくなった痛みが出るようになった、なんとなくまた痛くなったり痺れたりしそうという訴えも出ているように思います。

座って仕事をするのが悪いことではありませんが、そのようなライフスタイルを自身で把握した上で、それに応じたセルフケアが大切になってきます。

 

  • 坐骨神経痛予防のためのポイント

 

※各部分のストレッチを紹介しますが強い痛みや痺れがある場合は中止し、医療機関に相談をするようにしましょう。

 

▼お尻の筋肉、梨状筋、大殿筋

 

腰部から続く坐骨神経は梨状筋という筋肉に重なるように通っています。

その梨状筋がカタくなってしまうことで隣にある坐骨神経を圧迫してしまい痛みを生じさせるということがあります。

梨状筋の柔らかさを回復させることで坐骨神経にかかる圧を軽減させることが期待できます。

 

梨状筋を通過している坐骨神経の走行にいくつかタイプがあるとされています。

一部の関節の動きで痛みが出やすいということもあります。

★骨盤を後ろから見た図、横長のかたちの部分が梨状筋

 

大殿筋はお尻の筋肉で、お尻のかたちをつくっています。

梨状筋とともに骨盤の後ろ側で重なるように付着しています。

椅子に座っていると上半身の重さを受け止め、長時間であれば圧を受け潰されています。

長時間になれば筋肉の動きも少なく筋力を発揮する機会も少なくなっていきます。

それにより血行不良、筋力低下により小さく、カタくなることで骨盤の後傾という姿勢をつくる原因になります。

 

骨盤の後傾そのものは関節の動きでできることなので悪いものではありません。

しかし、運動不足や筋力不足によってそれが定着し、そのほかの動きが出来なくなっていることで、骨盤、股関節、背骨に影響することが各部位の痛みの原因となることがあります。

骨盤の後傾と猫背はセットになりやすいです。

猫背は腰の上側、骨盤は腰の下側です。

間に挟まれている腰は上下の崩れによって負担がかかる部分でもあります。

★長時間背中を丸めているのは要注意

 

▼梨状筋のストレッチ

 

仰向けで行います。

右側の梨状筋のストレッチです。

片膝を曲げてその上に反対側の足をかけます。

かけた足側に両足を倒していきます。

股関節から内側に回旋させるようして行いましょう。

自然な呼吸で20秒程度、反対側も同様に。

 

 

 

 

 

▼梨状筋、大殿筋のストレッチ

 

椅子に座って行います。

ストレッチする側の足を反対の太ももに乗せて4の字のかたちにします。

背筋を伸ばしたまま体を前側に傾けます。

背中が後に丸まらないように注意しましょう。

自然な呼吸で20秒程度、反対側も同様に。

▼ハムストリングのストレッチで姿勢の改善

 

ハムストリングは太ももの後ろ側につく筋肉です。

大殿筋と同様に骨盤の後傾に関連します。

大殿筋と同じ股関節を動かす機能を持っていますが、大殿筋がカタくなり動きにくくなるとそれを補うようによく働くようになります。

働くことはよいですがそれが過剰になるとハムストリングもカタくなり柔軟性も衰えてきます。

また、大殿筋のカタさ、筋力低下によって骨盤の位置がずれてくるとハムストリングが縮まることで体のバランスをとるようなことにもなってきます。

腰に負担のかかるような姿勢にもなっていくこともあるので柔軟性は保っておきたいところです。

★右が理想のシルエット、左が大殿筋の筋力低下と、ハムストリングの短縮での姿勢

坐骨神経はこのハムストリングの動きを支配しています。

ハムストリング、膝の裏、足首まで関節をロックしてしっかり伸ばそうとすると伸ばされる感覚が強くなりすぎ、坐骨神経そのものへの負荷が高くなってしまうことがあります。

柔軟性があればそれを生かして伸ばしてもよいと思いますが、体がカタイという方は無理やり強く伸ばさないように注意するようにしましょう。

 

▼ハムストリングのストレッチ

椅子に座って片足を前側に伸ばします。

背筋を伸ばしたまま体を前に傾けましょう。

膝は軽く曲げたまま行います。

自然な呼吸で20秒程度、反対側も同様に。

▼腸腰筋が腰椎の前で活動する

 

骨盤後傾によって活動が強くなるとところが骨盤の前側にある筋肉です。

骨盤の前側の筋肉が働くことで骨盤は前傾します。

後傾だけど前傾になる部分が働くというのは、それ以上後傾しないように前傾のための筋肉が働くからです。

後ろに向かおうとするのを前側の筋肉が後に引っ張られながら対抗しています。

腸腰筋は腰椎につく筋肉ですが、前側に向かってついています。

腰椎と股関節を結んでいて、太ももを持ち上げる動きや背骨を正しい位置に安定させるように働いています。

骨盤の後傾によってその位置が悪くなってくると筋肉の距離感も変わっていくので適切に働きにくくなります。

 

もちろん、腸腰筋が縮んでカタくなっていけば骨盤の後傾ではなく前傾が優位にもなってきます。

その状態では骨盤に乗っている腰椎は前に向かって反っていき、これが過剰になれば腰に負担をかける一因にもなります。

 

▼腸腰筋のストレッチ

 

片脚を踏み出して後ろの足を太ももの付け根から後ろに引きます。

後ろになっている側の腕を上に持ち上げます。

バランスがとりにくければ腕は伸ばさずに、支えにつかまりながら行いましょう。

自然な呼吸で20秒程度、反対側も同様に。

特に股関節周囲について紹介しましたが、股関節の動きが低下することが腰部への負担がかかりやすい原因といわれます。

坐骨神経痛に限ったことではありませんが、何か大きなきっかけがなく違和感や痛みが生じてきたということであれば日々の体の使い方が要因になることが多いと思います。

ここまでを通してやはり大切なことは、体に負担をかけない姿勢であること、そして筋肉の柔らかさを保って動きがよい状態であることです。

 

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