このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

 

今回のテーマは「首と姿勢のためのストレッチ」です。

 

●姿勢から起こる首コリ

 

当たり前のことかもしれませんがコリを起こす部分は筋肉です。
筋肉はある骨から別の骨に付着してそのあいだをつないでいます。
筋肉の長さが短くなれば骨同士の距離が近づき、長くなれば遠ざかります。
それが関節を動かすということです。
首といわれるところは背骨(脊椎)の頸椎、その頸椎と肩甲骨、頸椎と頭部というように、それぞれの骨を筋肉がつないでいます。

私たちは上からかかる重力に適応してさまざまな姿勢をとっています。
この重力の影響と姿勢によって人の身体は部分的に負荷を受けやすいところが現れます。
その一つが首です。
首の上には頭が乗っていて、その重さは体重の約10%といわれています。
重さがあったとしても真っすぐに積み重なっていれば重力は真っすぐにかかるので、下にあるものは重さを受けますが、バランスとしては悪いことはありません。
しかし上にある重さが中心からズレていくとそれ以上ズレないように止める力が必要で、その役割をしているのが筋肉です。

体重の約10%ある頭がただ背骨の上に乗っているだけであれば少し背骨からずれてしまうだけで落下してしまうことになります。
しかし落下せずにつながっているのは骨同士の結合や靭帯によって安定しているからというのもありますが、筋肉がその重さを止めているからです。

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特に頭を前に出したり下を向いたりするようなときは首の後ろ側の筋肉がワイヤーやロープ、強力なゴムのような役割をして前方に落ちていく重さに抵抗している状態です。
抵抗しているときは重さによって伸ばされていくことに対して筋力を発揮しています。
一時的に頭部の位置がズレてしまうことであればその時だけですが、その姿勢が定着してしまうと常時、首の筋肉は負荷がかかることになります。
首のコリを軽減するには、頭の位置が適切な位置にあるかがポイントになるのです。

 

●頸椎を支える筋肉のストレッチ

 

・肩甲挙筋
第1~4頸椎から肩甲骨に付着しています。
肩甲骨を上に引き上げ肩をすくめさせることと、左右どちらかに首を傾ける、首を反らせて頭を後ろに傾けることに働きます。
肩コリで気になる僧帽筋という大きな筋肉がありますが、肩甲挙筋はその内側の層に僧帽筋に覆われるようにある筋肉です。

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・胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋の主な働きは首を前に傾けることを回旋です。
胸にある胸骨と鎖骨から頭の側頭部にある乳様突起という部分まで付着しています。
首を左側に回せば右側の胸鎖乳突筋が浮き出るように見えます。

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・板状筋(頸板状筋・頭板状筋)
これらは背骨の頸椎、胸椎から頭の後頭骨、乳様突起にかけて付着している、首の後ろ側にある筋肉です。
首を後ろに反らせて上を向くことと首を回すことに働き、胸鎖乳突筋と対角にあるような機能を持ちます。
首を回すと片側が動きにくいといったときにカタく動きにくくなっていることがあります。
背骨からつながっているので筋肉の長さや筋力が適切に働いていると頭の位置をしっかり背骨に乗せるようにしてくれます。

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●頸椎症と椎間板

背骨全体は首、胸、腰の部分でそれぞれ緩やかなカーブをつくっており、頸椎は前方向に丸みを持つ前弯のかたちをしています。
連なっている背骨の一つ一つの骨を椎骨といい、そこには脊柱管という管があり、中には脊髄が通っています。

椎骨と椎骨の間には椎間板という柔らかい組織があります。
椎間板の外側には線維輪というコラーゲンの壁があり、その中にゼラチン状の髄核があります。
髄核はゼラチン状の弾力のある組織なので頸椎の動きに伴って線維輪の中でかたちを変えることができます。
この髄核の働きによって椎間板はクッションのように変形して、頸椎全体の動きを出す役割をしています。

頭を上に向けて頸椎を後ろに反らすと髄核が前に移動して椎間板の後ろ側がつぶれ、前側は広がります。
反対に頭を下に向けて頸椎を曲げると髄核が後に移動して椎間板の前側がつぶれ、後ろ側が広がります。

このように頸椎は骨の動き、椎間板の動きによって不具合なく動くものですが、椎体の変形や、椎間板のズレやつぶれ、椎間関節の変形、靭帯の肥厚などが起こった変性と呼ばれる状態によって、痛みを生じた病気が頸椎症と呼ばれるものです。
初期の症状は首や肩のコリですが、症状が進むと首の痛みを生じ、首の痛みが出ることと合わせて上を向く、振り向くといった動作がスムーズにできなくなるなど、動きが悪くなるとされています。

頸椎の椎間板が傷んでしまうことが主な原因とされていて、正常な椎間板の髄核は頸椎の動きに伴い変形しますが線維輪は保たれています。しかし、負担がかかる姿勢が続くと線維輪が耐え切れなくなり亀裂が生じます。
線維輪の内側に亀裂が入っても神経がないのでこの段階では痛みは感じません。
さらに負担が増すと亀裂は徐々に広がっていき神経がある線維輪の外側まで達すると痛みを感じるようになります。
椎間板は血流の乏しい組織で、栄養が届きにくく、一度亀裂が生じると治りにくい部分とされています。
椎間板の水分が失われてつぶれた状態になってしまうこともあります。
高齢になるほど椎間板や椎骨の変形が強くなる傾向がありますが、若い人でも負担がかかれば変性が起こることがあります。

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●筋肉だけではない、寝ちがえの原因

朝起きたら首が痛くて動かせないというのが寝ちがえといわれるものです。
ソファなどで無理な体勢で寝てしまった、まくらが合わなかったといったことで、首のまわりの筋肉が押しつぶされた、肩甲骨の位置が動きにくい方向で固まってしまったなど、さまざまな理由や状態が考えられています。
首を回すと痛い、横に傾けると痛いというのが典型的な症状ですが、寝ちがえは医学的な診断名ではありません。
診断名はレントゲン所見によって、頸椎椎間板症や変形性頸椎症といったものになるとされます。
身体の組織として見ると、原因は椎間板の髄核のズレと考えられています。
椎間板は寝ている間に髄核の浸透圧によって水分を含んで膨らむ性質があります。
髄核が膨らむと線維輪の亀裂も膨らむので起床時に強い痛みを感じます。
起床後に時間がたつと頭の重さで髄核の水分が押し出されて亀裂がもとに戻り、痛みが軽減されてきます。
寝方が悪かったということも一つですが、昼間の姿勢が悪く首への負担がかかっていたというのが原因として考えられることもあります。

 

●正常でもストレートネック

 

通常、頸椎は前弯、前に向かってカーブをしています。
この前弯がなくなってまっすぐになった状態を「ストレートネック」といいます。
スマートフォンの使用で頭が下がりストレートネックになってしまう「スマホ首」といわれることもあります。

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研究の一つに正常な人の頸椎の弯曲をレントゲンで調べたものがあり、頸椎前弯であった人が64%、頸椎前弯でなかった人が36%と、前弯していない人が3割以上というものでした。
ストレートネックであっても痛みを必ず生じたりするわけでもなく、異常なことではないという判断も一つの見解です。
とくに40歳以下の女性では頸椎前弯が38%、頸椎の前弯でなかったのが62%と、頸椎前弯のほうが少ないということ結果が出たとされます。
首のコリや痛みが全てストレートネックということはなく、レントゲンでストレートネックということがあっても多くの方は前弯が保たれていないということです。
首コリや姿勢の悪さがあれば頸椎のかたちにとらわれ過ぎず、ストレッチやトレーニングで改善していけばよいと思います。

猫背姿勢の予防に胸の広げるストレッチと肩甲骨を動かすエクササイズを紹介します。

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●まとめ

首のコリや痛みの症状は姿勢の影響があるということを紹介しました。
年齢やスポーツによっても頸椎という骨そのものの不具合が起こるということもありますが、不具合が起きないように首にかかる負担を減らすことは姿勢に意識を向けることで軽減できます。
首への負担の蓄積を防ぐことがコリや痛みを増加させないことになります。

・姿勢が首の負担がかかることに影響する。
・椎間板の負担が頸椎症の症状に関連する。
・頸椎の前弯が減少しても必ず不具合があるわけではない。

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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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