このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。
今回のテーマは「デスクワークでの不調改善!硬くなりがちなお尻をケア」です。
▼デスクワークとお尻の筋肉
●座ったままで働きにくいお尻の筋肉
長い時間座ったままだとお尻が痛くなってきませんか?厚みや大きさによる違い、または座っている椅子や座り方そのものの違いで感じ方は差があるものですが、股関節を動かす筋肉であるために、長時間のデスクワークはおしりの筋肉にとってなかなの負担なのです。
とくにこの数年在宅勤務、リモートワークが続くことで長時間の座り仕事に対応できる環境がなく、苦労している方も多いことと思います。
その負担を考えるとまずは長い時間圧迫をされた部分であることです。上半身の重さを受け止め動くことができないのでは血液循環は低下し、疲労物質が蓄積されていきます。
筋肉の役割は関節を動かすこと。形を変えることができないと筋力を発揮する機会もなく弱くなっていくのです。
●お尻の筋肉とは
お尻の筋肉といわれる部分は3つあります。
一つは大殿筋(だいでんきん)というお尻の丸みをつくる部分です。
2つ目は中殿筋(ちゅうでんきん)という筋肉です。
筋肉同士は隣り合い、多層になっていますが、中殿筋は大殿筋よりも腰に近い部分、骨盤の腰の骨にあたるところについています。
腰の高さといわれる骨の部分を腸骨稜と呼びますが、そのすぐ下で触れることができます。
最後は小殿筋(しょうでんきん)です。これは層になっている筋肉の下の層にあたります。大殿筋、中殿筋と違い表に見えていない筋肉です。名前の通り、大中小の小さいサイズをしています。
3つともメインは股関節を動かす役割を持っていますが、とくにデスクワークで影響を受けやすい(どれにも影響はあると思いますが)大殿筋についてみていきます。
▼大殿筋の機能
●お尻の筋肉、大殿筋とは
前述したとおり、お尻の丸みをつくる部分です。
もちろん脂肪の厚みもあり、この筋肉がかたちをつくる全てではありません。見た目のことも気になりますが、ここではまず筋肉の機能についてみていきます。
大殿筋は腸骨翼の後方、仙骨、尾骨から筋肉がついています。お尻の中央の骨沿いと思っていただければよいと思います。その部分から大腿骨の殿筋粗面、これはお尻と太ももの裏側の境目からやや太ももの外側よりです。斜め方向に向かってついている筋肉です。
立った姿勢で脚を後ろに振るとお尻が上に硬さがでます(使い方によってならないかたもいます)。
ヒップアップのトレーニングなどでチャレンジした経験があるかもしれませんが脚を後ろ側に引き上げる際にこの大殿筋が働くことがわかります。
これは股関節の伸展という関節動作で、大殿筋の機能の一つです。
長時間座っているということは、脚は体の前側にあります。よって大殿筋は筋力を発揮していないことがわかります。
●骨盤の後傾に注意
大殿筋の働きと関連がある動作で、骨盤の後傾という動きがあります。
骨盤が前側に傾く動きを前傾、反対に後ろ側に傾く動きを後傾といいます。
深く腰を落としてしゃがむ動きをすると、腰はまっすぐに立たずに丸まっていきます。この時の骨盤の動きは後傾です。
トレーニングなどでしっかり関節をコントロールしていけば別ですが、大抵は股関節が深く曲がると後傾するといえます。
となると、椅子に座っている体勢は後傾していることがほとんどです。腰から背中をまっすぐに保ち、長時間デスクワークをしていることは体にとっても負担が高くたいへんなことです。
このような後傾のかたちが続くと大殿筋は潰されたまま、さらに動かないことでその機能が衰えていくのです。
そしてあまりおすすめできない座り方は、椅子に浅く座ってお尻を前にすべらせるように、背中は背もたれにしっかり寄りかかっている体勢です。
こうなると骨盤の後傾が定着すると同時に、背中の丸さがより強くなります。
大殿筋が縮まって硬くなり、伸びて働く機能が低下していくのです。
▼大殿筋の硬さ、短縮で起こる姿勢
●骨盤後傾&平背(フラットバック)とは?
平背姿勢というのはフラットバック姿勢ともいわれ、背骨は自然なS字カーブを持ちますが、平背はその曲線が減少して背骨がまっすぐ平らのようになっている状態を示します。
背骨の下部にあたる腰椎は体の前に向かって弯曲をしている前弯というかたちをしています。これは腰椎の下で支える骨盤が前傾をしていることによるものです。しかし、前に傾いている骨盤が後方に傾くことで、上に載っている腰椎も後ろ側に向かって引っ張られることになります。前弯していたものが反対に弯曲するまではいきませんが、カーブ状だったものが直線的なかたちに変わってしまいます。
骨盤の後傾の動きを持つ大殿筋の硬さが要因の一つとなり、前傾をとりにくい状態になっていきます。
背骨のS字カーブが減少することで首や背中に負担がかかりやすい傾向があります。
●円背&骨盤後傾+前方移動(スウェイバック)とは?
円背&骨盤後傾+前方移動と少々複雑ですが、このような姿勢をスウェイバック姿勢ともいわれます。円背は背中が丸い状態、つまり猫背の状態になっていることです。背骨の上部の部分は胸椎といわれ、もともと後ろに丸くなっていますがこの丸みが過度になり猫背として固まっています。特に大殿筋に関わる骨盤、股関節はしっかり機能しなくなっていることが見受けられます。
デスクワークなど、大殿筋、股関節を動かす機会が少ないと筋肉は弱くなり、縮まって硬くなります。大殿筋の短縮により本来、骨盤が前傾で姿勢を保ちたいところを後傾のまま硬くなってきます。フラットバック姿勢では大きく骨盤の位置は変わらないとしても、スウェイバック姿勢では骨盤が後傾したまま体の前に向かって押し出されてきます。
背中の丸さで上側は後ろに重さがかかり、骨盤は前に向かっていくことで上下のバランスをとるようにして姿勢を保っています。
股関節も同時に前にずれることでその前側の筋肉も、後ろ側の筋肉も硬く動きにくくなり、前屈などをしても股関節を動かしにくく、背中を丸めることが優先になっていきます。
腰や膝の痛みもこのような姿勢が影響していることも多くあります。大殿筋、太ももの裏側をよくストレッチして骨盤前傾方向の動きを回復させることが大切です。
▼デスクワークで衰えがちな大殿筋をケア
●大殿筋のストレッチの必要性
デスクワークを今すぐ止めましょうというのはさすがに難しいことです。
では、それによって衰えていく大殿筋を復活させるにはどのようにするべきでしょうか。
骨盤後傾で、縮まって動かないのであれば、その反対の動きが必要です。
骨盤前傾で、伸ばして使えるようにすることです。考え方としては、大殿筋が伸びることで骨盤前傾がつくりやすいということです。もちろん、骨盤の前傾を使うことが、より伸ばす動作につながります。
そのために必要なことが伸ばす運動、ストレッチです。
縮まって硬くなった大殿筋は骨盤を前に押し出してお腹を前に突き出したような姿勢をつくります。それにより腰痛や股関節の可動域の硬さを起こしやすくなります。
さらに大殿筋が使いにくくなることでその下にある太ももの裏の筋肉を過剰に使い、そこまでも硬くさせていくのです。
合わせて太ももの裏側もストレッチできるとよいと思います。
●椅子に座って行う大殿筋のストレッチ
椅子に座り片足の足首を反対の太ももの上に載せて、4の字のようにする
背筋を伸ばしてしっかり胸をはる
胸をはったままゆっくり上半身を前に傾ける
載せている側のお尻をストレッチ、自然呼吸で20秒程度保つ、2~3回
●床で行う大殿筋のストレッチ
床に座り片足を前にして浅いあぐらのかたちをとる
背筋を伸ばしてしっかり胸をはる
股関節からゆっくり上半身を前に傾ける
前にある足側のお尻をストレッチ、自然呼吸で20秒程度保つ、2~3回
●合わせて行うと効果的、太ももの裏側ストレッチ
仰向けになり、片足の足裏にタオルをかけて両手で少しずつ引き付ける
太ももの裏、膝の裏あたりのストレッチ感があればよい、自然呼吸で20秒程度保つ、2~3回
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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/
本部著書&公式ブログ 監修・執筆
本部研修トレーナー 渡辺 久進
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