このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」
執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「筋力トレーニングをマンネリ化させないための方法」です。

 

●トレーニングは継続と変化が大切

 

▼身体の変化に合わせた負荷を。

 

筋力トレーニングをはじめて楽しくなってきた、ということが何人に1人くらいなのかはわかりませんが、自身の身体に興味をもちトレーニングをはじめたということであればより効果的に行い、理想的な体になりたいものです。

一先ず一般的にいわれている10回何とかできる重さで3セット、胸や脚やお腹の筋肉の種目をやっていて、もう少し運動量があってもよいと感じたら、身体に次の刺激を加えいくことが必要です。

トレーニングは全体的(部分、内容など)に様々なものを行い、偏らないようすること、現在行っているトレーニングの負荷が軽い、難易度が不足してきたら少しきつめの負荷や難しいものを加えたり、内容を見直して行うことが身体を変化させていくことには必要です。

5kgのダンベルで種目を行っていて10回繰り返すことに余裕が出てきたのであれば、はじめは重かったダンベルを持ち上げるための筋力がついたということです。
そこでそのままの重さで10回のトレーニングを繰り返していても5kg以上に適応する筋力はつきにくくなります。
そこで必要なのは6kg、7kgというように負荷強度を変えていくことです。
6kgになれば身体はその負荷強度に適応するために筋繊維の動員数を増やしたり、筋肥大を起こすようになります。
特にトレーニングをはじめたばかりの時期は変化の反応がよく重さにすぐに慣れてきますが急激に負荷強度を上げないように段階を踏んで行う注意が必要です。

 

▼トレーニングの強度と難易度

 

使う重さが重くなれば難しいということと思われがちですが、強度と難易度を組み合わせることで様々なトレーニングが可能です。
例えば、トレーニングジムに設置してあるトレーニングマシンは座って身体を安定させて行うものが多いので、使い方を間違えなければ動作は比較的シンプルです。
それを考えると難易度は低いということになります。

一方、フリーウエイトと呼ばれるダンベルやバーベルを使ったトレーニング。
こちらは自身が直接ウエイトをもって正しいフォームを保って行う必要があるため難易度はマシンを使うよりも高くなるものが多くなります。
(マシンのサイズが合わずダンベルの方がやり易いといったことはあります)
強度という面では、マシンを使う際に重さの設定を重くすれば、負荷は高く筋肉にかかる強さが上がります。
フリーウエイトもフォームがしっかりと保てた上で使うウエイトをあげれば強度は高くできます。
また、インターバル(休憩)を短くして行ったり、トレーニングを連続して行ったりすることも筋肉のみの負荷ではありませんが強度を上げる方法の一つです。
難易度は身体が安定しやすいかだけではなく、動作や使う器具などで変化します。
例えば座って行う種目と仰向けで行う種目では筋力の発揮のされ方が異なります。

バーベルとダンベルでも差があります。
バーベルは一つの物体を両手で支えたり肩に担いだりすることで負荷がかかります。
ダンベルは左右バラバラの重さのものを扱う動きになります。
均等に動かそうとしてもバランスをとることが難しくなることや、バーベルに比べ動かせる幅が広がるためコントロールが必要です。
他にも片手で行う種目にすることでバランスが難しくなることも、負荷を与えたい筋肉が一つのみになることで他の部分は身体を安定させることに使えるので、狙った筋肉に対しては強度を強くすることにもなります。
立位で行う種目では、足を広げて行う、狭く揃えて行う、片脚で行うといったことで強度も難易度も変化します。

 

▼トレーニングの組み換え方法

 

筋力トレーニングは一つの筋肉に対するトレーニング方法がいくつもあります。
例えば太ももの前側にある大腿四頭筋。
バーベルを担いで行うバーベルスクワット。
トレーニングマシンのレッグプレス。
お尻などの他の筋肉を使わず大腿四頭筋のみを狙ったレッグエクステンション。
大腿四頭筋を鍛えようと考えるとこれで3種目のトレーニングが可能で、さらに足の幅などを変えると別の種目に変わるものもありバリエーションが広がります。
その筋肉、その部位を追い込んでしっかり負荷をかけるには数種類のトレーニングを行います。
同じ種目を何セットをやることもよいですが、種目を変えることで筋肉への負荷のかかり方が変わってくるのでその部分を隅々まで使わせるようなイメージで行ってみましょう。

以前のブログでトレーニングの順序として、大筋群(大きい筋肉)から小筋群(小さい筋肉)で行うと小筋群が疲労を防ぎながらできると紹介しました。
大きいから小さいという順のように、関節をたくさん使うものから一つのみを使うものという順も効率よく行うことができます。
脚の筋肉を鍛えるスクワットは股関節、膝関節、足関節というようにたくさんの関節が働きます。
だからこそ太ももの大腿四頭筋、ハムストレリング、お尻の大殿筋など多くの筋肉が働き大きなパワーが出せる種目で重さも回数もこなせます。
一方、レッグエクステンションは膝関節の曲げ伸ばしのみを利用し、大腿四頭筋を単体で使うトレーニングです。

動作としては膝関節のみで動きは小さくスクワットよりは扱えるウエイトは軽くなります。
複数の関節を使う動きを多関節運動、一つの関節を使うものを単関節運動といいます。
多関節運動はメインとなる筋肉があり補助的に他の筋肉が使われます。
多関節運動で大きくたくさんの筋肉を使い、その後、単関節運動、小筋群のトレーニングと移行するのが運動量も効率も高めることができます。
(意識的に小筋群を優先に行うこともあります。)

 

▼身体の動く方向で変化を加える

 

トレーニングは様々なものを取り入れてバランスよく行ってほしいものです。
その考え方の一つが筋肉で分けることです。
胸の大胸筋、お腹の腹直筋、太ももの大腿四頭筋、これらをメインにしたトレーニングを組んでも上半身、下半身とプログラムされています。
しかし、この筋肉はすべて身体の前面にある筋肉です。
筋肉だけで分けてしまうと偏りが生じることがあるので、前面なのか後面なのか、外側なのか内側なのかといったことを考慮すると部分が一定にならずに配分ができます。
そして身体が動く方向を見ていくとさらにバリエーションを組むことが出来ます。

例えば腹筋運動。
仰向けになって身体を丸めると腹筋を使う感覚がありますが、これは正面に向かう動作です。
これを捻って斜め上に向かおうとすると脇腹の筋肉である腹斜筋が働きます。
お腹を鍛えるという考えで2種類を設定することができますが、直線的な動きと回旋する動きという方向のバリエーションができます。

関節がどのような方向に動くかをみていくと、縦方向、横方向、斜め方向というように筋力を発揮し関節を様々な方向に動かせるようにするといった目的でのトレーニングが行えます。
考えると難しいですが、ゴルフのためのトレーニングをするとしましょう。
アドレスは足を開いて身体を傾けるので、これは横方向と縦方向の動きです。
そしてスイングは身体を捻る回旋運動、水平方向の動きです。
日常でもスポーツでもいろいろな動きがあってできるものなので、この筋肉を鍛えるというだけでなく、この動きができるようするといった見方をするとより身体を使えます。

 

▼トレーニングは週何回?

 

トレーニングによって筋肉が傷つき修復されて筋肉量や筋力がつく反応を超回復といいます。
超回復には48~72時間かかるとされていてトレーニングが1日置き、週2、3回という提案がされているのはこのためです。
しかし、毎日筋力トレーニングを行っている方もいます。
それは各部位ごとに合わせてトレーニングを行っていることが多いです。
月曜日は脚、火曜日は胸、水曜日は背中・・・というようにしていくことで同じ部位が連続にならないようにプログラムをしています。
むしろ、一つの部位に対して強度を上げたいことや毎日トレーニングをしたいために分けているということもあるのではと思います。
もちろん毎日負荷がかかるので体力もいりますし、毎日どこかが筋肉痛といったことがあるのかもしれません。

毎日だと大変そうですが、一つの部分に集中して行うことができ、トレーニング時間も種目数を絞って行えばそこまでかけなくても可能です。
全身たくさんの種目を行おうとすればどの順番で、何セットこなすかを考え時間もかかるので集中力も体力も使うことになります。

細かく分けなくとも、上半身と下半身に分けたり、押すための筋肉、引くための筋肉に分けたりして動きの機能が同じ系統のものを選択してまとめると連続して行っても使う部位が重ならなくなります。
時間や体力的に少しだけならできるという方は毎回あれもこれもとならないようにパートを分けて行う方法として使えます。
毎日トレーニングをしたい方、目標やノルマをつくる方もいるかもしれませんが疲労、関節への負担も考慮して体調に合わせたプログラムで実施するようにしましょう。

 

●トレーニングと成長ホルモン

 

トレーニングを行うことにより分泌されるのが成長ホルモンです。
身体にかかった負荷により筋肉は損傷しますその後のタンパク質の合成を促し、成長、筋肥大を助けるホルモンがありますが、成長ホルモンはその一つです。
筋肉を増量させるだけなく、骨の成長や肌の新陳代謝、体脂肪を減らしたり、免疫機能を高めたりするために働くなど、子供の成長にはもちろん、大人の健康維持にも関わるものです。
体形、スタイルのためにトレーニングをするというのは、筋肉で身体をデザインするだけでなく、肌や病気にならないようにすることも含めて効果があるといえるものです。
トレーニングだけでなく、睡眠によってもこのホルモンが分泌されます。
睡眠不足では疲労回復しないものですが、身体を修復させる時間が短くなれば日中のパフォーマンスは低下してしまいます。
運動効果を得るためには身体を休め、リラックスさせる休養が必要です。
ホルモンの材料になるのはタンパク質です。
筋肉をつくるものであり、それを促すホルモンの材料でもあります。
筋力トレーニングの効果を得るためにも「筋肉に効いた」だけでなく、その後のケアにも気を配るようにしましょう。

 

●まとめ

・重さや運動方法で強度と難易度が変化する
・トレーニングに慣れてきたら種目や回数を変えていく
・運動で成長ホルモンが分泌され筋肉だけでなく健康維持に機能する

筋力トレーニングについて一般的にいわれている効果や方法から紹介しました。
運動習慣や体質や生活習慣、年齢などのより必ず効果が得られるものではありません。
ご自身の体調等に合わせて適切なトレーニングを行うようにしましょう。

 

 

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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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