このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」

執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「胸椎からみた身体の動き」です。

 

●胸椎のかたちと姿勢

 

▼背骨にある胸椎

 

今回は胸椎(きょうつい)をいう部分に着目します。

背骨は椎骨という骨が積み重なって構成されています。

その重なっている骨は24個、そのうち12個が胸椎にあたる部分です。

胸椎は背骨の首の部分にあたる頸椎、腰の部分にあたる腰椎の間に位置しています。

首の頸椎は7個、腰の腰椎は5個であわせて24個、その下に骨盤につく仙骨があります。

背骨の全体像はS字カーブとされていて上の頸椎から下の腰椎まで弯曲をしています。

頸椎は前側に向かって丸みがある前弯、胸椎は後ろ側に丸みがある後弯、腰椎は前側に丸みがある前弯の弯曲をしています。立ち姿としてよい姿勢をいわれる場合はこの背骨の弯曲が整っているわけです。

胸椎に注目してよい姿勢から外れている場合は、この胸椎の後弯が過剰、後ろに向かう丸みのカーブが大きいということがあげられます。

また胸椎は肋骨と接しており胸肋関節を形成しています。

胸椎、肋骨、胸の中央にある胸骨と合わせて胸郭といいますが、カーブの状態によって上背部全体に影響します。

 

▼胸椎のカーブが崩れると・・・

胸椎部分で目立つのは背中が丸い、猫背、円背といわれる状態といえます。

猫背を予防、改善を目指すのであれば、この胸椎が適切なカーブに近づくことが必要なことの一つです。

骨の損傷などがなければ骨格のかたちを変えていくのは筋肉、加齢によって骨と骨の間にある組織などのカタさが出ることが要因としてあげられます。

特に胸椎であれば前方向に丸まる側の筋肉がカタくなる、そして適切な後弯を保つための筋肉が働きにくくなるということが起こります。

日常から過剰に丸まっている姿勢が多く、結果的に後弯が強くなってしまうことが問題です。

例えば頭が前側に倒れる、突き出るようになれば首の頸椎が前に動くとともに胸椎も前方向についてきます。

スマートフォンを操作する際に常に下向き、顔を画面に近づけているようなときはそうなっていることが多いのではないでしょうか。

そして頭が前方向にあれば、その頭の重さとのバランスを保たなければなりません。

そのために背中を後ろに丸めて重心を移動させて前後で重さを保とうとします。

頭を戻そうとしても頸椎、そしてそこにつながる胸椎がカタくなり動きにくくなっているとそれをすることも難しくなってきます。

カタくなる前に背中が伸びることを忘れさせないようにすることが適切な胸椎後弯を保つために必要なことになります。

 

▼胸椎と肩甲骨のつながり

 

肩甲骨、さらには腕まで含めた胸椎の連動までをみていきましょう。

肩甲骨を背骨側に寄せながら背中を丸めるということはなかなか難しいことです。

丸めようと思っても胸椎から下の腰椎、腰が丸くなっていきます。

反対に肩甲骨を前側に動かしていくと背中は丸めやすくなり、反らす動きは行いにくくなります。

というように、肩甲骨の動きにより胸椎の丸める、反らすに変化がでます。

これを考えると、肩甲骨が前側に動かされているときには胸椎は丸くなる、後弯が強くなりやすいことがわかります。

そして肩甲骨には腕がつながり、腕が前にいけば肩甲骨も前側についていきやすくなり、脇が外側に開けば肩甲骨も外側に向かいます。

このような姿勢は特にデスクワークのときに生じます。

さらに加えると頭が前にも移動しやすくなるため背中も前に倒れるようについてきます。

このような状態が長く続くことにより、胸椎の過剰な後弯が定着してしまい、動きにくさや猫背姿勢への原因の一つになります。

胸椎の過剰な後弯を防ぐためにはデスクワークをしない、スマートフォンを使わない・・・といったことはなかなか難しいので、できるだけ長時間を避ける、頻度を減らすといったことは意識したいところです。

または使うときに目線が下がって頭が前に落ちないように、高さを変えるといったことも環境面で対応できることです。

そして腕や肩甲骨が前に向かった状態を戻すようにすることで、胸椎が丸まり定着しないようにケアをしましょう。

 

▼胸椎が丸まり過ぎないように、簡単ストレッチ

両手を身体の後で組む

首を長くするように肩甲骨を下げ、腕を少し後ろに引く

壁に片手をつく。

壁側の足を少し前に出して手と身体の位置を遠ざける。

手を着く位置を変えると広がり方が変わる。

 

●胸椎の動きによる身体の運動

 

▼回旋と運動パフォーマンス

 

運動動作における胸椎の役割、特に重要な要素が回旋、身体を捻ることです。

背骨の頸椎、胸椎、腰椎にはそれぞれ得意な動きがあります。

頸椎は7個のうち、特に上側の1番、2番と呼ばれるところは回旋運動が得意、以下3~7番は曲げる、反らす動きが得意です。

胸椎は回旋動作が得意な部分です。

腰椎は曲げる、反らすは動きやすいですが回旋動作は苦手です。

身体を捻ろうとするとウエストを捻る、腰を捻るといった動作がありますが、本来腰椎は回りません。

そこで必要なのが胸椎の回旋可動域です。

回旋に得意不得意があるのは背骨の椎骨のかたちに違いがあるからです。

椎骨は一つ一つが少しずつ回旋して全体で大きな回旋の動きを出します。

腰椎は椎骨のかたちとして捻ろうと思っても動かないということがあります。

それを無理に捻ろうとすると痛めてしまうことになります。

そうさせないために必要なのが胸椎の可動域です。

本来、得意な動きのあるところに任せておくことができれば腰椎は無理をしません。

しかし、猫背のように姿勢が崩れたり、連動して動く肩甲骨の可動域がなくなったりすると胸椎の動きも悪くなっていきます。

反対に胸椎の動きが悪いことで肩甲骨や肩関節を過剰に動かしてしまうこともあります。

それぞれの適切な動きを保つことは、怪我をしたわけでもないのに痛くなった、ということを起こさないためにも大切です。

胸椎と肩甲骨の連動を試してみましょう。

座った状態で身体を自然に右に捻ってみましょう。

続いて右の肩甲骨を背骨側に寄せて右に捻ってみます。

そしてこの右に捻る動きに加えて左に肩甲骨を背骨から遠ざけるように前側に動かしてみましょう。

このときの捻る動きはいかがでしょうか。

人によって感じ方はそれぞれだと思いますが右への捻る動きが少し大きくなった方もいるのではないでしょうか。

胸椎と肩甲骨の動きが連動し、より回旋動作が行いやすくなります。

ゴルフなどで捻る動作を使う場合は「腰を捻る」といった意識では腰椎への負担がかかります。

胸椎、肩甲骨の動きを活用してパフォーマンスにつなげましょう。

横向きに寝て腕を前側に伸ばし、足は曲げておく。

上側の腕を天井に広げて伸ばし、少しずつ反対側の床まで下ろす。

胸が開いて天井に向くように意識して行いましょう。

元に戻して5~6回、反対側も同様に。

 

▼胸椎と重心のバランス

 

胸椎は丸まる、反らす、捻る回旋のほかに横方向への側屈の動きが可能です。

例えば左の脇腹をストレッチしたいときは身体を右方向へ側屈すると左の側面がよく伸びるのですが、このときは筋肉だけが動いていることはなく、背骨も右に向かってカーブを描きます。

左側を伸ばすので、反対側の右の側面の筋肉は短くなっています。

意識的に側屈をすればストレッチのように伸びるのですが、日常の使い方により無意識のうちに右に傾く癖がついてきます。

身体の動きは各部分がつながっているので、胸椎以外の問題もあるのですが、もし普段から右に身体が側屈していたとすると重さのバランスが変わってきます。

比較的多いのが、傾いている側に重さ、重心移動しやすいということです。

例えば右に傾いている、右の肩が下がっているなどは右側よりに重心が移動していくことが多くなります。

傾きが強ければその周囲の筋肉も使われ過ぎてしまっていたり、動きが悪くなって負担がかかっていたりします。

そして日常で歩くときにも負担がかかりやすくなる傾向があります。・

右に重さがあるということは、右足で踏み込んだ際に左足に比べると重さが乗りやすくなります。

重さを受ける右足、そして踏み込んだ際に地面から受ける衝撃も強くなることで、膝や腰に対しての負担がかかることもあります。

なかなか自分の姿勢がまっすぐかを見るのは難しいかもしれませんが、シンプルに脇を伸ばした際に片側が動きにくい感覚がある、服を着たときに片側が下がるなどがあれば傾きやすい癖があるのかもしれません。

そちら側のストレッチなどを入れて左右差が大きくならないようにしてみましょう。

 

●まとめ

 

今回は胸椎を中心に姿勢や動きを考えていきましたが、肩甲骨の影響で胸椎に不具合が出る、

骨盤周りの筋肉によって背骨全体に影響が生じるといったことがあります。

ストレッチも筋力トレーニングもバランスよく、日ごろ意識して動かしていないような部分であれば運動を加えてみてください。

また、背中の痛みや首や肩など周囲の不調があれば専門医などから診断を受けるようにしましょう。

・胸椎は元々後ろに丸い、それが過剰になると猫背になる。

・頭の位置、肩甲骨の位置によっても姿勢が崩れやすい。

・胸椎の動きよくすることで腰への負担も減る。

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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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