このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。
今回のテーマは「足首の動きと簡単エクササイズ」です。

 

●足首はどんなかたち?

 

▼足首はどこを指すのか?

 

足首というとどのようなものを想像するでしょう。
運動前にグルグル回すところ、捻挫をしやすいところ、しゃがむと硬くて踵が浮くところ・・・など動かすことがあったりケガをしたりで意識をするような部分になっている方が多いかもしれません。
店舗に来る方で足首が何かなっているという悩みは少ないですが、過去にけがをした経験がある、さらに何回も同じようにけがをしている、右足か左足かの記憶が曖昧といったお話は伺うことがあります。
今回は足首についてみていきたいと思います。
まず、足首とは?
足首は足関節です。
足関節の構造は3つ層にわかれているイメージです。
一番上には脛の骨である脛骨と腓骨という骨があります。
中間の部分にあるのは上下をつなぐ距骨という骨です。
そしてその下には踵の骨である踵骨という骨があります。

 

★距骨は脛骨と腓骨の間に、踵骨は距骨の下に

 

▼足首の動き、背屈と底屈

 

一般的に足首、足関節というのは一番上の部分の脛骨、腓骨と中間の骨である距骨で作られる距腿関節というところを示します。
距腿関節という部分は脛やふくらはぎの存在する部分である下腿と距骨から構成される関節です。
主な関節の動きは背屈と底屈という運動です。
背屈は足全体で考え、つま先が上側に向かい、足の甲が脛の方向に近づく動きです。
しゃがむときに脛が足の甲に向かっていくことも同様です。
底屈はつま先が下向きに動き、脛から足の甲が離れていく運動です。
背伸びのようにつま先立ちになる動きは底屈運動です。

★距腿関節による背屈と底屈

足首はぐるぐると回すことができますが、この距腿関節は縦方向の動きがメインになっているのです。
この背屈と底屈ができることが日常動作を含めた運動時には足全体の機能とその上にのっている膝関節や股関節の動きにも関連します。

 

●足首の柔軟性と体の動き

 

▼足首と股関節の関係

 

下にしゃがむ動きを使う、スクワットというトレーニングがあります。
このとき、足関節の背屈運動の可動域がないと、踵が浮いてしまい、安定して下にしゃがむことができません。
それでも体を下に落とそうとすると足関節は背屈しない分を股関節が補うように働きます。
お尻の高さは変わらずに、上半身が前かがみに倒れるようになっていきます。
反対に、股関節の角度がうまく使えないパターンだと、その分を足関節が補うようになります。
この場合は、体は正面に向いたまま、足関節が深く曲がっていくといったしゃがみ方になります。
ちなみにこのような動きは太ももへの負荷が強くなり、そこにつながる膝関節への負荷も大きくなっていきます。

 

▼足首に関連する姿勢と動き

 

特に背屈の可動域が低下している場合は各部位の影響が出やすくなります。
極端ですが、つま先を下に向けるようにして、底屈するように立ってみましょう。
背伸びの姿勢ではなく、足の裏を地面につけたままです。
足の行き場はないので、脛を後側に傾けることになります。
そして体全体も後ろ側に重心が移動します。
さすがにこのままの姿勢で維持していることは難しいので、これでバランスをとるためには背中を丸めて猫背にして、頭を前に出すと前後のバランスが取れてきます。
自力で筋力を使って意識的にやると大げさな動きなりますが、筋肉のカタさや筋力不足により、自然にこのような姿勢で立っているようなこともありえます。
このような姿勢で歩くと脛が前に傾かず、重心も前に移動が行いにくくなります。
その分、お腹を前に突き出すようにして、ゆっくり動くような歩き方になる傾向があります。
では、足関節は全く曲がらなくなるのかといえはそうではありません。
それは、何とか深く曲がろうとする機能が働くようになるからです。
それならばよいのかといえば不具合があるものなので、適切な背屈の仕方とはいいにくいのです。
本来、距腿関節はきれいに、まっすぐに角度をつくる動きができる部分です。
自身の足を前に伸ばして背屈をしてみましょう。
このとき、足が斜めに向いたりせずに、足の甲とつま先が真っすぐに脛に向かって近づきます。
深く曲がっていたとしても、斜めに向かっていったり、脛の骨がぶつかって詰まる感覚があったりすれば、それは適切な関節動作にはなっていません。
しかしなぜそのように適切な関節動作でなくても背屈がでるようになるのでしょうか。
それには距腿関節を構成している一つの距骨の動きが関連します。
距骨には筋肉がついていません。
他の骨には筋肉がついており、その筋肉が縮まったり伸びたりすることで骨の位置が動き、関節が動くというものになっています。
この距骨は長所としてとらえれば自由度があり動きがよい、短所として考えれば安定していないため、ずれてしまいやすいといえます。

 

▼背屈の動きと簡単エクササイズ

背屈のイメージは車と車庫です。
車は移動をする距骨、車庫は入り込むスペースのある脛骨と腓骨、つまり距腿関節の上の部分です。
脛の骨の部分に沿うように真っすぐに入り込めばきれいな背屈動作になります。
しかし、車である距骨が少々斜めに入り込もうとしていけば、残念ながらきれいに奥まで入り込むことができません。
それでもその方向で動くことを覚えてしまうと、特に痛みなどがなくても曲げたり伸ばしたり、歩いたりができるのです。
さらに車庫である脛骨と腓骨が距骨に合わせようとして捻じれて動こうとしてしまうこともあります。
脛骨は膝関節の一部です。
足首の動きが悪くて脛骨に影響が起こり、膝関節に不具合が出て、その上につながる股関節や腰部へのつながるということもあります。
足首を曲げるという背屈の動きは単純な関節運動ですが、歩く、走るといった体を前に進めるためにはとても大切な動きです。
可動域がしっかり出るようにしておきたいところです。

アキレス腱周囲をよくほぐします。
距骨が後に動けるように筋肉や脂肪を柔らかくします。

足関節の背屈可動域を出すエクササイズです。
片膝を立てて膝の中心と足の人差し指のラインを揃えます。
膝の中心が人差し指のラインに向かいように体を前にずらしていきます。
前足の踵が浮かないところまで、ゆっくり4~5回繰り返します。

 

●足首が回るのは距骨下関節

 

▼距骨下関節の動き

土台となるところはその下にももう一つありました。
2層目の距骨とその下の踵の骨である踵骨の動きです。
この2つで構成される関節を距骨下関節といいます。

 

★距骨と踵骨の組み合わせ

 

距骨下関節の特徴は、足首をぐるぐる回す動きの際の、回転の動きをすることがあげられます。
そして左右に倒れるように動く特徴があります。
足首を捻ったという傷害の捻挫。
どのように起こりやすいかというと、足の外側が地面につくように足首を内側に向けて、過度な力がかかった時に生じることが多い怪我です。
これは踵骨が外側に方向に倒れ込む動きです。
外側に倒れ込むと、踵骨と距骨を結ぶ靭帯が強く伸ばされて衝撃を受けます。
これによって骨同士を結ぶ靭帯が傷つき捻挫ということになります。
捻挫でなくても自分でも足首の外側を伸ばすように方向を変えることができます。
この動きを内返しという呼び方をします。
反対に、足首の内側を伸ばすような動きを外返しといいます。
自身でやってみるとわかると思いますが、それぞれの動きを比べると内返しの方向がやりやすくなっています。
これは内くるぶしよりも、外くるぶしのほうが低い位置にあるからです。
その分下に向かう動きが生じ易くなっており、捻挫もこちらの方向が一般的です。
捻挫を繰り返すなどで靭帯が緩いスポーツ選手などは、内返しの方向にいかないようにテーピングやサポータで保護をしているようなことがあります。
捻挫が危ないからといって、常に足首を固定している必要はありません。
人の歩く動きには、内返しと外返しが必要なのです。
歩く際に、踵からつきましょうというアドバイスを受けたことがある方もいるかもしれません。
その踵の着地を詳細にみると、まずは踵の外側から接地が始まります。
これは内返しの方が動きやすいことがあるからです。
踏み込むために地面から浮いた足がつく際は、無意識に外側に傾くことになります。
内返しから始まり、踵と足裏の全体が付くのは外返しができるからで、その後蹴り出すという動きが入っています。
このような動きが足裏にかかる重さを吸収して安定した歩きができるのです。

▼踵の傾きと足のバランス

最後に、距骨下関節の踵骨の動きについてです。
履いている靴が、内側がすり減る、外側がすり減るといった癖がおそらく人それぞれあると思います。
内側であれば外返し方向、外側であれば内返し方向に体重がかかったり、立っていたりする癖があることがわかります。
そして踵の骨の傾きには個人差が出てきます。
踵を後ろから見たときに、外側に傾いているか、内側に傾いているかによって、土踏まずの高さや全体的な足のかたちが変わりやすいといえます。
踵骨が外側に傾くことを回外といいます。
反対に、踵骨が内側に傾くことを回内といいます。
これは土踏まずや足の甲の高さが高い、低いといった足のかたちにも影響します。
土踏まずが低く、足底のアーチがさがっているという場合には、回内をしていることが見られ、補正するためのインソールや、足底の筋肉のトレーニングなどが提案されます。
もちろん、ただ立っているときの足のかたちと、歩いているとき、走っているときの足の動き方が違います。
歩いていると不自然でも、走った時は足の動きがスムーズでよいといったことも見られることがあります。
また距腿関節、距骨下関節だけなく、足の甲の部分やつま先の部分の関節の動きから影響を受けることもあります。

今回は足首に注目しました。
スポーツなどを行って入ればその特性により必要な動きは異なると思います。
ただ、運動をしていなくてもしていても、体を前に運ぶ、歩くという動きにはしっかりとした足関節の背屈運動が必要です。
足首といっても関節が分かれており、それぞれの動きによって平地も坂道もデコボコ道もうまく歩くことができる私たちの足なのです。

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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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