このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「音楽と運動」です。

 

●リズム感は赤ちゃんの頃から

 

イヤホンを装着しながらのランニング、その耳にはどんな音楽が流れているのでしょう。

もしかしたら音楽以外のものが流れていたり、着けているのみで無音だったりということもあるかもしれませんが・・・。

テンポの良い音楽、ゆったりとした音楽、シンプルに好きなアーティストのものなど、それを聴いていると元気になる、気分がすっきりする、反対に今日はこの曲を聞きたい気分といったことなど、人それぞれ好みがあるはずですが、運動との関連はどのようなことがあるのでしょう。

聴くことよる効果効能を紹介していきたいと思います。

音楽を聴くと自然と音に合わせて体を動かしてしまうというのは時代や地域に関わらず人間が持つ本能的なものがあるようです。

生後5か月の乳児でも音楽に反応して動くということが観察されるそうです。

すべての生物に備わっていることはないようで、音に合わせて踊り出すのは鳥、アシカ、チンパンジーなどに限定されています。

動植物に音楽を聴かせるとよく育つという「音響栽培」という方法もあるそう今後、音楽の効果はさまざまなことに応用されるかもしれません。

 

●音楽と身体の同調

 

音楽の要素はリズム・メロディ・ハーモニーといわれています。

この3つのなかで人間は生まれたときからリズムを感じ取るとされています。

そのきっかけとなるのが心拍、お母さんのお腹の中にいるときからその心拍を聴いてリズムを認識するといわれます。

赤ちゃんから成長していく過程で体に伝わる振動や目から入る映像、そして歌や音楽を通じて複雑なリズムを理解して、リズム感というものをつくっていくそうです。

人は周りのリズム、テンポに合わせて体を動かす、同調します。

ウォーキングなどで早歩きレベルのものであればそれに合わせたリズムのもの、ランニングで速さが必要なものであればテンポの速い音楽を聴きながら行うと、体もそれに合わせてリズムを刻むようになります。

音楽と運動でのリズム、テンポが調和すると効率よく体が動かせるという効果があるとされています。

自分が今日はペースをあげてランニングをするといったときにはテンポの速いものを聴きながら行うとその分ペースも上がりやすいということです。

一方、上り坂で速度が落ちてしまう、前が詰まって進めないなど環境、状況によりペースが落ちてしまうときにテンポの速いものを聴いていれば運動とリズムが合わなくなってしまうという現象がおきます。

それにより立て直すまでに余分な体力を使ってしまうなどで効率を悪くすることがあります。

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また、運動能力のなかに外部の情報処理能力(コーディネーション)というものがあります。

その能力の一つにリズム能力があります。

これは耳や目からの情報を動きにかえる(動きを表現する)能力のことです。

この能力はあらゆるスポーツにおいて上達の欠かすことのできない基礎となります。

特に音楽の伴奏に合わせて行う競技や集団演技には大切なものといえます。

 

●音楽と運動とやる気

 

▼音楽により脳で起こること

 

ウォーキングやランニングといったリズムを刻むものに限らず、音楽により運動効果、パフォーマンスを高めることに影響します。

何かきついトレーニングをしているときに、映画「ロッキー」のテーマでも流れてきたらどうでしょう。

好みと映画を知っているかどうかもありますが、もうひと頑張りするといった雰囲気にはならないでしょうか。

「ロッキー」のテーマでなくても、自分の好きなアーティストの曲が流れていたら気分がよくなってもう少し頑張ろうといった気持ちが湧くのではないでしょうか。

好きな音楽で気分がよくなるといったことは脳が感知しています。

そこで起こっているのが脳内物質のドーパミンの作用です。

ドーパミンはやる気を出す働きがあり、快楽物質、脳内麻薬といわれることもあります。

気分がよいといったことは人にとって報酬です。

報酬系・快楽系の神経が活性化することできついと感じる運動が行えることが期待できるのです。

もうひと頑張りしたいときに好きな音楽を聴く、またはある音楽がかかりはじめたらもうすぐ終了の合図といったことがわかればあと少し続けてみる、追い込んでみるといった取り組みが行いやすいかもしれません。

 

▼リズムと脳の反応の応用

 

人はリズムを感じ取ると身体を動かしていなくても、脳の運動を司る部分が活動します。

ある研究で被験者にリズムがある音楽とランダムな音楽を聴いてもらったときの脳の活動を調べました。

結果はリズムのある音楽を聴いたとき運動前野背側部、補足運動野、前補足運動野という部分の活動が強くなることがわかりました。

人が自発的にリズムに合わせてしまうのは脳の運動に関連する部分の興奮性が高まり運動を起こすための刺激量が少なくてもよくなるためだと考えられます。

スポーツやリハビリテーションの現場では運動と音楽の関連を利用してよい成果を上げていることがあります。

音楽を聴いたときと聴かなかったときの400m走のタイムを比べたところ、走るリズムにあった音楽を聴いたときの方がタイムがよかったという研究結果があります。

音楽のリズムに身体が動きを合わせて運動するといったことがあらわれます。

また高齢者が運動をするときには音楽に合わせて運動するほうが、音楽なしで運動するときよりも脳の老化を抑えて認知機能によい影響があるとされます。

脳卒中やパーキンソン病のリハビリテーションでも音楽に合わせて運動することで症状が緩和されることが報告されているそうです。

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●音楽とリラックスと柔軟性

ストレッチは身体の柔軟性を高めるための運動ですが、ガチガチに緊張した状態では思ったように筋肉を伸ばすことが難しいものです。

もちろん筋肉などの組織そのものがカタくなっていれば伸びにくくはなっていますが、余分な力が入ってしまい動きがぎこちなくなってしまうことがあります。

ストレッチは筋肉を伸ばして血流をよくしてリラックスさせる効果もありますが、リラックスしながら伸ばすためにはいかに余分な力を抜くか、ということになります。

そこで音楽の活用です。

心身ともにリラックスした状態のときに発する脳波にα波というものがあります。

そのためリラックスを促すために音楽を利用するといったことがあげられます。

その効果の検証のため、運動疾患のない男性、女性を被験者として脚の筋力トレーニングを行った後、太ももの裏側の筋肉のハムストリングのストレッチをしてその可動域を比較するという研究があります。

曲はモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタニ長調(ケッヘル四四八番)第一楽章」を選定。

音楽を聴くのみ、ストレッチをするのみ、音楽を聴いてストレッチをするといったものですが、音楽を聴いてストレッチをした場合に測定値がもっともよく、柔軟性に影響があったということが報告されています。

この音楽の効果は緊張をつくる交感神経が抑制され、リラックスを促す副交感神経の活動が活発になりα波が優位になったということが要因とされています。

個々の運動経験や曲の好みによって差が出ることも予想できますが、リラックスした状態をつくりでストレッチをするというのはその効果を高めるといえると思います。

 

●思考の柔軟性にも効果あり?

 

音楽の効果は思考力にも影響するとアメリカの科学誌に研究報告がでています。

その研究は前向きで気持ちが高まるような音楽を聴いた人はその他の音楽を聴いた人に比べて、創造力に向上がみられたそうです。

肯定的・高揚感があり、幸福感をもたらす音楽、高揚感のない落ち着いた音楽、否定的で悲しい気持ちにさせる音楽、高揚感と同時に否定的な不安感をもたらす音楽を聴いてもらい、その後、「拡散的思考」と「収束的思考」を測定するテストを受けてもらいました。

「拡散的思考」は新たなアイディアを複数の問題解決につなげていくための力を測るテストです。

幸福感をもたらす音楽を聴いた参加者は高得点をあげる傾向があり、その他の音楽を聴いた参加者にはこうした傾向はみられませんでした。

研究チームは音楽が思考の柔軟性に関連があるという見解を出しています。

 

●まとめ

 

・音楽のリズムによって身体を動かすリズムがかわる

・脳の活動に影響することで活動的にもリラックスにも効果が期待できる

・音楽の種類によって思考力の柔軟性にも関連する

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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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