このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「脂肪の貯蓄システムと燃焼システム」です。

 

●脂肪の蓄積は身体のシステムである

 

体重を減らしたい、脂肪を落としたいという方は少なくないと思います。

やはり脂肪が少ないほうが健康面でも美容の面でもプラスになることが想像できます。

だからといって脂肪は悪者でしょうか?

どちらかといえば悪い面が目立ちますが、それでも必要なこともあり人間には脂肪を蓄えるといった機能があります。

例えばおなかがすいてもまったく動けなくなるということはありません。

それは食事を1食抜いたとしても身体に蓄えているものからエネルギーをつくることができるからです。

その役割をしているものが脂肪です。

脂肪は貯蓄できるエネルギー源なのです。

人類は原始時代といわれる頃、食べ物を手に入れる手段は狩猟や農耕でした。

しかし狩猟に失敗したり作物が不作であった場合は飢えと戦っていたこともあったはずです。

それを乗り越えるために身体は摂取した栄養を脂肪に変えて体内に貯蓄するシステムをつくりました。

脂肪として蓄えておくことで食糧が手に入らなかったときのエネルギー源として活用する機能を手に入れたのです。

食生活が豊かになってもこのシステムはなくなることはなく、いざというときのために脂肪を貯めることができるようになっているのです。

脂肪は生命維持のために必要なものともいえます。

 

●脂肪にも役割がある

 

食事から摂取した脂質はすぐにエネルギーに変換されず、体脂肪として蓄えられます。

脂質の大部分は中性脂肪、専門的にはトリグリセリドというかたちで摂取されます。

中性脂肪やコレステロールというと、身体に害のあるものと思われがちです。

もちろん増えすぎれば悪影響が指摘されますが、身体に必要なものです。

余分な栄養は排泄されず、中性脂肪というかたちで身体に貯蓄します。

これが体脂肪としてお腹や太ももに塊となって現れます。

しかし脂肪も身体を動かすエネルギーです。

食事を一食抜いたとしても動くことができるのは脂肪がエネルギーとして活用されるからです。

脂肪細胞は1gあたり、7.2kcalのエネルギーを持っています。

糖質は1gあたり4kcalなので比べるとエネルギーを賄うためには脂肪はとても役に立ちます。

体脂肪が少なすぎればエネルギー不足になり日常での生活活動、運動においてもそのエネルギー源が足りないということになります。

体脂肪率は一般的に成人であれば男性は10%~20%、女性では20%~30%が適正、許容範囲とされることが多いです。

エネルギーとして活用される他、物理的なクッションの役目、緩衝材としての機能もあります。

ボディラインも体脂肪があることで美しく見えるということも、体脂肪があるからそれを支えるための筋肉もつきやすいということもあります。

 

●脂肪がエネルギーになる仕組み

 

▼分解と運搬と燃焼

 

まず身体をエネルギー源は糖質、糖質はグリコーゲンというかたちで蓄積されています。

それを使い切ると皮下や腹腔内、筋肉間などに貯められた脂肪がエネルギー源として使われるようになります。

その過程は分解、運搬、燃焼という工程があります。

まずは分解するためにはホルモンからの指令が必要です。

その指令を出す役割をするのがグルカゴン、ノルアドレナリン、アドレナリンというホルモンです。

これらが脂肪細胞を覆うタンパク質を取り除き、脂肪分解のための準備をはじめます。

分解のための役割が、ホルモン感受性リパーゼという酵素です。

この酵素により、脂肪は脂肪酸とグリセロールというものに分解されます。

ホルモン感受性リパーゼを活性化させるグルカゴンは空腹時、ノルアドレナリン、アドレナリンは運動時に分泌が高まります。

反対にインスリンの分泌が高まる食後などエネルギーが十分なときにはホルモン感受性リパーゼの活性は抑制されています。

ホルモン感受性リパーゼはその名の通り、分泌されるホルモンによって活動が変わるのです。

分解された脂肪はエネルギーを求めているところに送り届けなければなりません。

脂肪酸はアルブミンというタンパク質と結合して遊離脂肪酸となって、ここではじめてエネルギーとして使える物質に変わり、血液中に放出されます。

そして細胞内の脂肪燃焼の工場に当たる、ミトコンドリアというところに送られます。

燃焼工場のミトコンドリアに入るためにはカルニチンという物質との結合が起こります。

カルニチンはミトコンドリアの膜を脂肪酸が通過する際に必要なものです。

ちなみにカルニチンを多く含む食べ物として羊肉が取り上げられることが多いですが、サプリメントも多く販売されています。

運動により脂肪を消費しやすい効果があるとされるものは脂肪を運動エネルギーとして使いやすくするための仕組みを利用しているということです。

ミトコンドリアに運ばれた脂肪酸はさらに分解されかたちを変え、専用のエネルギー生産回路であるTCA回路というもののなかで代謝されます。

最終的には二酸化炭素と水に分解され役割を終えます。

これが大まかな過程で、栄養学などからみると元素記号が数多くあり何が結合する、しないといったことが起こります。

興味のある方はぜひ専門書を手にとってみてください。

 

▼燃焼を有効に使うには

 

さて、やはり興味があるのはその脂肪が燃焼する仕組みを使ってどのように蓄積された脂肪を減らすかということだと思います。

ポイントの一つは糖質から得たグリコーゲンを使い切ることです。

グリコーゲンが使い切ったところで身体は貯蓄していたエネルギー源を切り崩します。

お金のやりくりと同様です。

空腹だとグルカゴンというホルモンが脂肪の分解を活性化しました。

これは、今、身体に貯蓄してある脂肪を使うということです。

空腹時の運動はそのエネルギー源を貯蓄に頼ることになります。

ではその貯蓄を増やさないためにはどのように考えるかです。

もちろん、バランスの良い適切な量とカロリーが大切ですが、脂肪の蓄積を予防するということでいうと、食後の運動が適当です。

食後はインスリンが分泌され体内に脂肪を合成させる働きをします。

それは身体の仕組みとして仕方のないことです。

そこで運動によってグリコーゲンを使い、脂肪として蓄積させないことがひとつの対策です。

空腹時の運動と食後の運動によって脂肪をどのように扱うかがかわるのです。

どのような運動が適切か?

やはり適切なのは有酸素運動をいわれるものです。

ウォーキング、ジョギング、サイクリング、スイミングなど低強度である程度の時間をかけて持続するものがあたります。

有酸素運動のスタート時のエネルギー源はグリコーゲンです。

グリコーゲンが使われ出してしばらくすると減ってくるのでそこでエネルギーを補うために脂肪が使われ始めます。

ここでのポイントは一定強度が続くことです。

同じ運動を続けるためには身体にそれに合わせた一定のエネルギー量が維持されなければなりません。

一般的にいわれていますがスタート時はグリコーゲン、その後グリコーゲンと脂肪、最後に脂肪がメインのエネルギー源となり、そこまでに15分~20分程度が必要とされています。

それ以降も継続していけば、脂肪がエネルギーとして使われていくのが身体の仕組みです。

空腹時に運動を頑張ろうというものなかなか気持ちが入らなかったり、反対に低血糖により体調に不具合が出ることもあります。

また、筋肉を分解してエネルギー源にするということもあります。

食事にタイミングや筋力トレーニングの併用も考えながら自身に身体に合わせていくようにしましょう。

 

●コレステロールの働き

 

中性脂肪とともに悪いイメージのあるコレステロール。

善玉、悪玉といわれますがそこには身体に必要な役割があります。

・LDLコレステロール

コレステロールが非常に多く、中性脂肪が少ない。

肝臓でつくったコレステロールを全身の細胞に運ぶ役割があります。

LDLが血管壁に蓄積すると動脈硬化の原因になるため悪玉コレステロールと呼ばれています。

健康診断でチェックされやすい項目ではないでしょうか。

動脈硬化とそれによる脳梗塞や心筋梗塞が懸念されるため注意しましょうということです。

そしてLDLに対して血管を守るのがHDLです。

・HDLコレステロール

タンパク質の割合が多いため、高密度リポタンパクともいいます。

血液を巡りながら全身の細胞で余ったコレステロールを回収して肝臓に運びます。

善玉コレステロールと呼ばれています。

HDLが少ないことで脂質異常症という判断がされることもあります。

コレステロール同士の善悪のほか、身体の機能を保つ働きをしています。

・細胞膜の材料になる。

細胞膜はタンパク質と脂質でつくられていますがその中にコレステロールが含まれます。

細胞膜の隙間を埋めるように入り込んで強度を補ったり、外力が加わっても壊れないようにする役割があります。

・ホルモンの材料になる。

アレルギー症状にはステロイド剤という薬が使われることがあります。

ステロイドホルモンは副腎でコレステロールをもとにつくられます。

ステロイドホルモンには糖質の代謝に関わる糖質コルチコイド、ミネラルの調整を行う鉱質コルチコイドがあります。

女性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンもステロイドホルモンの一つです。

コレステロールがあることで身体を調整するホルモンがつくられています。

・消化液である、胆汁酸の材料になる。

胆汁酸は脂肪分を乳化させる働きがあり、腸への吸収を助けます。

乳化は油脂分と水が均一に混ぜられた状態にすることです。

脂溶性の栄養素であるビタミンAやビタミンEなどは乳化されなければ吸収されません。

消化、吸収のために胆汁酸が働き、そのためにコレステロールが必要になります。

悪者扱いされがちですが細胞を守り、ホルモンをつくるといった身体の機能を正常に動かすためにも適切な値を保てるようにしましょう。

 

●まとめ

 

・脂肪を貯蔵する仕組みは生命維持のための機能。

・蓄積した脂肪を使う、さらに脂肪を蓄積させないようために運動が有効。

・コレステロールには身体の機能を保つ役割がある。

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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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