このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「柔軟性を使いこなせる体とは?」です。

 

●柔軟性は日々つくられる

 

体が柔らかいというと、どのようなことをイメージするでしょうか。
前屈で手のひらが床までつく、開脚で180度近くまで足が開く、Y字バランスができるなど柔らかさを表現するものがいろいろあると思います。
「昔から体がカタイです」という訴えは数多く聞きます。
そして子供のころは柔らかかったという記憶は人それぞれ。
子供から大人への成長過程の中で関節の動かし方も筋肉のつき方も個人差があるものなのでライフスタイルの中で体が出来上がります。
高齢になってくることで筋力低下が出てくるので、それによって動きにくさが生じるのも自然なことです。
それでも日ごろからストレッチをしたり、トレーニングをしたりすることで体の柔らかさの度合いは変わってくるでしょう。
カタくなって動きがつらくなった時に、その前にしっかり柔軟性を上げておけばよかったとならないようにしていただきたいと思います。
だだ、柔軟性だけではパフォーマンスがあがらなかったり、カタさが筋肉の問題ではなかったりすることがあります。
今回は柔軟性に関わる部分を中心に考えてみたいと思います。

 

 

●柔軟性があるとは?

 

 

▼筋肉だけではない、柔軟性に関わる要素

 

まず、体が柔らかいというのは、体を構成している組織が柔らかいということです。
組織というとのは筋肉、筋膜、皮膚、靭帯、腱などです。
筋肉は筋力によって体の関節を動かす組織です。
筋肉が骨と骨をまたいでいるので筋肉の長さが変わると骨と骨の距離が変わります。
膝の関節の後ろ側をまたぐ筋肉が短くなると膝が曲がり、膝が伸びるためには長くなります。
筋肉の短縮する機能が優位であれば伸びにくくなるということがあげられて、ストレッチをして伸長する機能を向上させようということです。
また、肩こりなど筋肉が力んだまま縮まっているものも、筋肉の長さをもとに戻すようにすることで解消する効果もあるのでストレッチが有効といえます。
筋膜はその筋肉全体、さらに筋肉の繊維をいくつかの束にまとめていたりする膜になっているものです。
世の中ではもうおなじみといえる筋膜、ある筋繊維の束にある筋膜とその隣の筋繊維の束にある筋膜が滑らかに動くと筋肉の動きはスムーズです。
しかし、筋膜の状態が悪くうまくかたちを変えることができない、隣同士の筋膜と滑りが悪いとスムーズさが低下します。

首の筋肉、僧帽筋のストレッチ

肩甲骨と頭部をつなぐのでその距離を離すと伸長する
筋膜が固まっていく原因は運動不足や栄養不足、不良姿勢によるその部分への負荷があげられます。
専用のアイテムなどを使って圧をかけたりすることで固まった部分を緩ませていくのは一般的になっていると思います。
皮膚も筋膜の一部と考えてよいかもしれません。
皮下脂肪の間には「浅筋膜」いうものがあります。
皮膚の役割は外界の刺激からの保護やセンサーのなる部分ですが、その動きが悪くなると柔軟性にも影響します。
例えば、やけどをして皮膚がつっぱる感じがあればそこの部分は伸びにくくなっているといえます。
また、肌の乾燥によってパサパサ、パリパリした感覚があったりすると伸びにくい感じがあるのではないでしょうか。
怪我で皮膚の縫合があった際にも僅かに形状の変化があることも考えられます。
普段から潤いを与えておくのは柔軟性にも大切なことと思います。
少し専門的な話が続きますが、靭帯と腱についてです。
スポーツの現場では怪我をしたと耳にすることがあると思います。
野球が好きな方であれば肘の靭帯を手術するといったこともご存じではないでしょうか。
靭帯は骨と骨をつなぐロープのような役割をしています。
骨と骨が連結する部分は関節です。
その骨同士ぐらつかないならないように止めている存在が靭帯です。
過去の競技スポーツや事故によって靭帯を損傷している既往歴をもっているかたも少なくないのではと思います。
「●●靭帯損傷」というと大事な感じがしますが、身近に起こることでいえば捻挫です。
「足首を捻りました」とうのは足の関節が自身の持つ動きの幅を越えてそこに強い負荷がかかることになります。
しかし、靭帯の柔らかさがある方はその動きの幅があり、関節が動く幅が大きくなるといえます。
だた、柔らかいという表現よりも、緩いといったことが適していることがあります。
緩いというのはロープがしっかり張られていないということなので関節が不安定でもあるといえます。
怪我によって靭帯が緩くなっているパターンと先天的に起こっている場合あります。そして腱です。
腱で有名なのはアキレス腱だと思います。
食べ物でいえば「牛すじ」です。
その他、膝の裏側の左右のすじ状の部分は太ももの裏側の筋肉の腱の部分であったり、ところどころ体の表層に浮き出てみえることがあります。
その腱が何かといえば筋肉が骨に付着する部分の組織です。
筋肉は肉のかたちのまま骨についているわけではありません。
骨につく部分、筋肉の端の部分は腱というものに変わってついているのです。
その働きが低下していると関節の柔軟性も不足することになります。
このように体の組織にあたる部分の柔らかさによってどれくらい伸びる長さが稼げるかということ柔軟性に良し悪しに影響します。

 

▼まだまだある、柔軟性の要素

 

その他の柔軟性に差がでる要因です。
靭帯のように先天的なもの、後天的なものとありますが骨のかたちもあげられます
開脚のためには股関節!となりますが、特徴的な形状をもつ場合があります。
股関節は太ももの骨である大腿骨と骨盤の寛骨という骨で形成されます。
大腿骨の骨の末端が寛骨の臼蓋(臼のような形の穴)にはまっています。
そのはまり方が浅いタイプの骨格を持つ方がいます。
浅いということは動かし方によって大腿骨が抜けるようになるということです。
その場合は股関節が安定するようにはまる方向を自然に調整するように体が働きます。
これは筋肉がカタいとかではなく、骨格のかたちが理由なので無理に動きにくい方向に動きを出すのは負担が高くなることが考えられます。
また、変形性関節症では骨と骨の接触面のかたちが変わることで動きの制限がでることがあります。
股関節や膝関節ではいわゆる「軟骨がすり減った」という形状になることが多い部分です。
それによって関節の動きにくい方向や、動きによって痛みを生じることがあります。
この場合も、筋肉がカタいことよりも(動きが悪くなることで筋肉がカタくなることもある)関節のかたちによるものといえます。
そして柔軟性をあげるために行うストレッチ。
それを行う環境、状況によって伸び方が変わります。
例えば、体が温まっている時と冷えている時の筋肉の伸びる感覚は変わってくることがあります。
温まっているときは筋肉のもつ粘性という、粘り気がとれるようになり、伸長しやすくなっています。
筋温が上がっている状態でゆっくりと動かしていけば、体の組織としても伸びやすく、筋肉内にある伸びすぎることを止めるセンサーの反応も起こりにくくなります。
お風呂上りにストレッチを勧められるのは単純に体が温まっているからではなく、筋温が高くなる反応として適しているからです。
寒くて震えるような場所でストレッチを行うよりは、適度に温かさがある場所で実施する方が筋肉を伸ばすということには向いているといえます。
※筋肉中の筋肉の伸び具合を調整するセンサーを筋紡錘といいます。
※急激に伸ばされたときに伸びるのを止めて短くなるような反応を伸長反射といいます。

 

●柔軟性と可動性

 

▼動ける体に大切なのは可動性

 

改めてですが、柔軟性は筋肉や筋膜など組織が柔らかくよく伸びることです。
似たような意味と思うかもしれませんが可動性という捉え方になると少し変わってきます。
自分の体を十分に使いこなし、パフォーマンスをあげるのはこの可動性です。
可動性というのは、自身がもつ柔軟性を扱える能力、範囲です。
例えば、仰向けになって、片脚を天井に向かって持ち上げてみましょう。
膝はできる限り真っすぐなままです。
この時、床と垂直まで真っすぐに上がるとします。
これがその方の持つ可動性です。
股関節、太ももの裏側やふくらはぎの筋肉の伸長、持ち上げる太ももの前側の筋肉の筋力などを使って行える動きの範囲ということになります。
では、誰かに手伝ってもらって、足をさらに上に持っていってもらうとします。
この時、床と垂直までを越えて、さらに頭側に向かっていくとします。
これがその方の持つ柔軟性です。
自分で上げたら垂直に90度、手伝ってもらうと120度だとすると、この30度分の動いた範囲は自分では扱うことができなかった部分といえます。

矢印の範囲は使え切れていない可動域
この幅の中で体が無理に動くと怪我につながることも・・・
自身の体の持つ組織は柔らかさあってもそれを最大限に活用できていない・・・ということになるのです。
この場合では30度分の範囲を自分でも動かせるようになることが自身の体のパフォーマンスを向上させるということにつながるというわけです。
何かの競技で足を上げるパフォーマンスが必要だとしたら、上げる動きに適応する柔軟性と、それを自分で使いこなす可動性という能力があって、体の動きが生かされるものです。
ただ、この例の足の動きで45度上にあがり、他者に手伝ってもらっても45度だとします。
柔軟性=可動性ということになりますが、この場合はどちらも動きの範囲が狭いということになり、改善が必要といえると思います。
股関節の動きがよくない、太ももの裏側の筋肉がカタいとされ、それにより腰部や膝への負荷がかかると考えられるからです。
適度、適切な柔軟性と可動性という、その方に必要な体の動きが大切ということです。

 

▼ストレッチは必要な運動

 

では、特にパフォーマンスは必要ないからストレッチはしなくていいのか?ということではありません。
伸ばすという筋肉の動きは使わなければ衰えます。
本来、備えていた柔軟性というものが低下すれば筋肉を含めた組織の動きが悪くなり、それが関節の動きの制限や痛みを生じる要因にもなります。
これまでのライフスタイルでいつも決まった姿勢でいる、腕を持ちあげる機会が少ない、体を捻る動作が少ないなど、それぞれに使われる部分の柔軟性、可動性を低下させることが潜んでいたかもしれません。
自分でストレッチをするというのは自動的に伸びてくれない体を伸ばしてその部分の伸長性を保つ、自身の体がその動きまで十分に動く範囲があるということを体に伝えるために必要なことなのです。

 

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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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