このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「呼吸にこだわれば体が変わる」です。

 

●呼吸は生きるための体の活動

 

▼呼吸は1日2万回

 

呼吸は私たちが生きるために不可欠なものです。

魚はエラ呼吸、両生類や爬虫類は肺呼吸と皮膚呼吸というように生き物は外界から空気を取り込んで生命を維持しています。
呼吸をしなければ体には空気が入ってくることはなく、重度の症状が生じたり命に関わることが起こってしまったりします。
私たちは一日2万回も呼吸をしているといわれています。
もしそれが不適切な動きで続けているとしたら、2万回誤った動作を繰り返していることになります。
呼吸が不適切だと、疲れやすい、頭痛、肩こり、姿勢が悪くなる、血流が悪くなるなど不調が起こることがあります。
当たり前のように息を吸って吐いていますがその仕組みや体の中でどのようなことが起こっているか、簡単ではありますが紹介したいと思います。

 

▼呼吸と肺の動き

 

呼吸といえば肺に空気が入り込むことです。
肺は胸の上部にあり、左右に分かれてついています。
右胸には三つの空間に分かれておりこれを三葉という呼び方をします。
左胸は二つの空間に分かれていて、二葉という呼び方をします。
左右で大きさが違います。
ピンときた方もいるかもしれませんが、左胸には右胸にないものがあります。

それは心臓です。

内臓は左右対称ではありませんので、それぞれの場所で適切な位置や大きさで備わっています。
肺に空気が入りますが、肺には筋肉がなくその筋力で空気を吸っているわけではありません。
そこで肺に空気が入る状態にするのが横隔膜です。

 

▼横隔膜の基礎知識

 

横隔膜は肋骨の下の面にドーム状のかたちで付着しており、膜という名前ですが筋肉の一つです。

・起始

肋骨部=第7~12肋骨弓下縁

腰椎部=第1~3腰椎椎体、他

胸骨部=剣状突起

・停止

腱中心

・機能

胸腔と腹腔を隔て体内に空気を取り込みます。

呼吸の吸気時に収縮してドームが下側に向かって落ち込むようになり、胸腔内を一定に保ちます。

胸腔を拡張するため胸郭の動きやすさにも関わります。

 

★胸とお腹を分ける横隔膜

この横隔膜が下に向かって落ち込む動きにより肺は減圧されます。
この過程で外の空気は肺に向かって入り込んでいきます。
これが空気を吸い込んだ吸気の状態になります。
そして収縮した横隔膜が弛緩して元の高さに戻ってくるときに空気が外に出ていきます。
これが呼気の状態になります。
胸とお腹を分ける横隔膜の収縮、弛緩と腹壁の筋肉の収縮、弛緩により空気の出し入れが行われます。

 

▼横隔膜の動きが悪くなると・・・。

 

まず動かないということは下に向かって動かなくなるということです。
これでは肺の容量は大きくなりません。
お腹の方まで横隔膜が下りてこないのです。
腹式呼吸というのは横隔膜が下に下がっていく状態で行えるものです。
よって胸式呼吸という方式で呼吸を行うことになります。

このように横隔膜は上下に広く動く部分です。
息を吸った時の横隔膜が平たくなったところから吐いたときに頂上まで動く幅をZOA(Zone of apposition)と呼びます。

この動きの幅は肺を囲っている肋骨の形状によって変わってきます。
肋骨が閉じた状態のときには動きの幅は大きくなり、開き過ぎた状態では動きはあまり上下しません。
呼吸を適切に行うためにはこのZOAの動きがとても大切なものになります。

しかし横隔膜の動きが不良であれば呼吸が効率よく行えず、横隔膜以外の筋肉を過剰に働かせて行っていくことになります。
それが首や肩の周囲に付着している筋肉で、これらを使って空気の出し入れをしている傾向があります。
首や肩がこるというのは不良姿勢や肩甲骨の動きが悪いといった影響を考えることが多いですが、横隔膜の動きの不足により負担をかけていることもあります。

 

●現代人は呼吸をし過ぎ?

 

▼酸素と二酸化炭素で体が動く

 

呼吸は何のためにするかといえば生命維持のため、酸素を取り込むため、二酸化炭素を排出するためというものですが、この酸素を取り込むということが大切と考えることが多いと思います。
深呼吸をして酸素をたくさん吸いましょう!ということを気持ちの良いものととらえてほしいもので、当然酸素は体になくてはならいものです。

しかし、酸素を取り込み過ぎているということが起こっていると考えてことはあるでしょうか。

呼吸が浅く速いパターンになっていれば呼吸量が多くなり、体内に取り込む空気の量が増えてき、体もそのパターンを記憶するようになります。
そして私たちの体には二酸化炭素の役割が大切なことであるのです。
二酸化炭素は自然環境では悪者にされがちですが、体内での役割は重要です。

酸素は血流にのって体の各細胞に運ばれて届けられます。
その運ぶ仕事をするのが赤血球のヘモグロビンです。
酸素はヘモグロビンと結合していますが、そのままでは細胞に取り込まれません。
結合しているヘモグロビンと離れることにより細胞で使われますが、その切り離す役割をするのが二酸化炭素なのです。
たくさん酸素を吸った方が体によいというイメージを持ちやすいですが、二酸化炭素が適切であることが体には大事なことです。

 

▼口呼吸を改善しよう

 

呼吸が多くなっているときの特徴です。

・口呼吸をしている。

・呼吸の際に胸の上部や肩が動く。

・安静にしていても呼吸音が聞こえる。

このようなときには過剰になっている傾向があります。
酸素を取り込みたくても効率よくいかず、脳への酸素の供給量も落ちてしまい、仕事や運動のパフォーマンスに影響します。

思い当たる方は呼吸と横隔膜の動きの意識をぜひ持ってみましょう。

数年間、マスクを着用していた生活が続いたことにより、口呼吸になっていたことが多かったかもしれません。
口は本来、呼吸器ではなく消化器での一つです。
口呼吸による悪影響がいわれています。

・姿勢への影響

口が開くことによりあごが後側にさがり、気道が狭くなります。
気道を広げようとするために頭を前に出して、背中が丸まりやすくなります。

・睡眠への影響

口が開くことで舌が落ちている状態になります。
のどをふさいでいびきや無呼吸症候群になりやすいといわれます。

・歯並びへの影響

舌は口腔の上あごについてアーチをつくります。
口が開くと舌が落ちて支えるものがない状態になります。
それが歯並び、嚙み合わせを悪くしてしまうことが考えられます。

 

▼意識して鼻呼吸にしよう。

 

強度の高い運動時は口呼吸となり、呼吸量が増えるのは自然なことです。
しかし日常で常に口呼吸をしていると先にあげた影響が考えられます。
そこで口呼吸を改善し、身につけたいものが鼻呼吸です。

・不良姿勢を防ぐ

あごの位置が前で安定するため頭が突き出ることを防げます。
舌が上あごにつくことで頭が支えられます。

・呼吸量が増えすぎない。

鼻呼吸は口呼吸に比べて空気が通る抵抗ができます。
そのため余分に空気を取り込むことが防げるので血液中の酸素と二酸化酸素のバランスがよくなります。

・免疫力を守る。

鼻の内部の粘膜で外気から入り込むほこりやウイルスの侵入を防ぐことができます。

 

▼舌の位置がポイント

 

舌は食事のときに使われますが、正しい位置があります。
それは口を閉じている際、口腔内の上あごについていることです。
口呼吸の悪影響と重なりますが、睡眠時のいびき、無呼吸症候群、口蓋を内部から支えられなくなるとったことが起こりやすくなります。
舌も筋肉ですが、他の筋肉と違い、両端が骨について固定されているかたちではありません。
上あごにつくことで両端が安定して支えがきくようになります。
舌が落ちて支えがなくなることで頭部が不安定になり、首や肩の筋肉がより働きます。
首こり、肩こりの不具合にも関連するといえます。
舌の支える力の不足は口呼吸によるもの、それに加え硬いものを食べる機会が少ない、噛む回数が少ないといった原因もあるといわれます。

 

▼呼吸のトレーニングにチャレンジ

 

★横隔膜の動きをチェック

仰向けになり膝を立て、肋骨の下の部分に手を当てます。
呼吸をしたときに肋骨が外側に大きく動くような動きができれば横隔膜の動きも出ているといえます。
あまり動かずに、胸や首の周りが動くようであれば横隔膜の動きが少なく、首周りの筋肉を使って呼吸をしている傾向があります。

 

★肋骨の動きをよくするために呼吸エクササイズ

膝と肘をついて体を小さく丸めるようにします。
ゆっくり自分のペースで呼吸を続けます。
30秒程度、苦しくないように続けましょう。
吐くための肋骨の動きをよくしていきます。

 

★四つん這いでの呼吸エクササイズ

 

四つん這いになり、手は肩の下、膝は股関節の下、床から垂直になるようにします。
腰から背中を丸めて大きなカーブ状になるようにします。
5秒かけて鼻からゆっくり息を吸う、5秒かけて口からゆっくり吐く
吐いたら5秒息を止めて、その後ゆっくりと鼻から吸いはじめる、これを3~5回繰り返します。
※血圧が高い、苦しい感じがする方は5秒止める動作は行わない。

運動における心肺機能という点ではなく、日常での呼吸の働き方についてみていきました。
空気は透明、横隔膜も内部にあるため実際、目で見て動いているのがわかりません。
しかしそれらが体内で適切に働くことで、生きるために不可欠なことがよりよくなると思います。

 

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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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