このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」
執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「お腹の筋肉と筋力トレーニング」です。

 

●気になる部分の定番、お腹

 

お腹、ウエストは痩せたい部分の1位、気になる部分とされるとベスト5に入っていることがあるなど年代によって様々です。
薄着の季節が終わり体のラインを隠せると考えてもよいですが、日々の時間の流れはあっという間です。
一生のうちに一度は割れた腹筋を手に入れたいという望みがある方も多いのではないでしょうか。
一口に腹筋と表現してもそこには数種類のお腹に関連する筋肉があります。
それぞれどのような機能や特徴があるかを紹介していきたいと思います。

 

▼シックスパックに割れる筋肉、腹直筋

 

腹直筋はお腹の正面、表層にある筋肉で一般的に腹筋といわれる部分です。
シックスパックと呼ばれるものは腹直筋のかたちが浮き上がって見えているものです。
腹直筋には腱画という筋肉を区切る線があり、これは横方向に位置しています。
また中央で縦にある線を白線といいます。
これら筋肉の一つ一つの塊を分けるようにしています。
腱画も白線も腹直筋を鍛えると発達するものではなくもともと備わっているものです。
目で見てわかるようになるには腹直筋に覆いかぶさっている脂肪を薄くしていく必要があります。
もちろん筋肉が発達して肥大してくことも必要です。
腹筋を割り、シックスパックに見せるためには負荷をかける筋力トレーニング、脂肪を燃やす有酸素運動、余分な脂肪をつけないようにする食事といったことが求められることです。

起始:恥骨の恥骨稜・恥骨結合前面
停止:第5~7肋軟骨・剣状突起・肋剣靭帯
機能:胸郭前壁の引き下げ・体幹の屈曲・腹腔内圧拡大
・腹圧を高める排便や分娩、嘔吐、くしゃみ、せきをするときに働きます。

 

▼脇腹を捻るウエストの筋肉、外腹斜筋

外腹斜筋は脇腹の筋肉の一つです。
肋骨から骨盤にかけて斜めの方向に向かってついている筋肉です。
腹直筋と同様に体の表層にある筋肉です。
引き締まったウエスト、くびれをつくる部分と紹介されることが多い部分ですが、やはり筋肉なので負荷をかけてトレーニングをしていくと肥大して、ボリュームある体幹になります。
もちろん、何もしなければそこは弱くなってしまうので大きくする目的でなくとも使っていくことが大切です。
主な機能は体幹を捻る動き、回旋と横に倒す側屈の動きです。
ゴルフなどの回旋する動きのあるスポーツでは伸ばされて、その後に筋肉が短縮する方向に向かって筋力を発揮して力を伝えるように活動します。
テイクバックではクラブを振り上げタメをつくりその後中心に力を戻すように働きます。
ボールを捉えたインパクトの後のフォロースルーでは反対側の外腹斜筋は外側に向かって伸ばされる動きになります。
そのため、筋肉の伸長が優位になり、片側の肋骨が外側に広がりやすく傾向があります。

オリンピック競技のカヌースラロームの選手の例ですが、激流の中でぶれない様に体をコントロールしており、外腹斜筋の肥大が進んでいました。
そしてカヌーを旋回させて漕ぎ、体を傾けて支えているために左右の外腹斜筋の大きさが明らかに異なっているそうです。

起始:第5~第12肋骨外面
停止:腸骨稜外唇の前方1/3・腹直筋鞘前葉の一部、鼠径靭帯
主な働き:体幹の前屈、同側への側屈、反対側への回旋、胸郭の引き下げ、腹腔内圧拡大
・体を捻る動作、野球やゴルフ、テニスなどの回旋スポーツ、ランニング時の体幹、骨盤の回旋。
・腹圧を高める排便や分娩、嘔吐、くしゃみ、せきをするときに働きます。

 

▼外腹斜筋の奥にある、内腹斜筋

外腹斜筋と同様に脇腹の筋肉として備わっています。
腹部の筋肉は層になっており、外腹斜筋よりも下の層にあります。
外腹斜筋は肋骨から斜め下側、骨盤に向かって付着しているのに対し、内腹斜筋は骨盤から同じ側の肋骨に向かって斜め上方向に向かっています。
体幹を捻る動作に働きますが、右側の内腹斜筋が縮まっていくと体は右側に向って回旋をします。
脇腹の筋肉と捻る役割が強い印象ですが、体幹部の姿勢を適切に保つためにも重要な部分です。
この内腹斜筋が機能せずに緩んでいると肋骨と骨盤の距離が開いきます。
特に肋骨が体の前方に向かって飛び出るようになりやすく、腹部が縦に大きく広がるようなかたちをとるようになります。
お腹と腰が体の前側に突っ込みやすく、見た目としても反り腰や猫背をつくられやすく、腹部の機能低下により背部の筋肉の緊張や腰痛の原因にもなることがあります。
ウエスト、くびれをつくるためにということだけでなく体に負担のない姿勢を保つためにも機能がしっかりしていることが必要な部分です。

起始:鼠径靭帯、腸骨稜中間線、胸腰筋膜深葉
停止:第10~12肋骨の下縁、腹直筋鞘
主な働き:体幹の屈曲、側屈、同側回旋、腹腔内圧拡大
・体を捻る動作、野球やゴルフ、テニスなどの回旋スポーツ、ランニング時の体幹、骨盤の回旋。
・腹圧を高める排便や分娩、嘔吐、くしゃみ、せきをするときに働きます。

 

▼深層にあるインナーマッスル、腹横筋

腹部の中でも深層にある筋肉です。
筋肉は表層にあるアウターマッスル(またはグローバルマッスル)、そして深層にあるインナーマッスル(またはローカルマッスル)とう分け方がありますが、腹横筋は腹部のインナーマッスルにあたります。
深いということは体の中心部に近いということであり、建物でも内部の構造がしっかりしていないと安定しないように、体でもこの腹横筋の役割が安定するために必要です。
筋肉の形状としては、コルセットのようになっています。
ギックリ腰や腰痛の際につけた経験がある方はわかると思いますが、腰からお腹にかけて固定するように巻いていきます。
固定すると腰椎が無駄に動かなくて済むので痛みが軽減されます。
腹横筋も同じように腰椎が不安定にならないための役割をしています。
背骨の中でも腰椎は太く安定させたい部分として存在しています。

私たちが立位で手足(四肢)を動かすときに最初に反応するのが腹横筋です。
この筋肉の反応速度が悪くなっていると腰椎の安定が得られないため腰痛の原因の一つと考えられています。

腹部のインナーマッスルとしては前面から支える腹横筋に加え、後方の多裂筋、上部の横隔膜、下部の骨盤底筋群があります。
引き締まったお腹にはこれらが機能不良で支えが効かなくならないようにしたいことがありますが、姿勢そのものが悪いことで機能しにくくなることもあります。
腹部の筋肉以外からもアプローチすることも全体的にスタイルよく見せることにつながるともいえます。

起始:第6~12肋軟骨、胸腰筋膜深葉、鼠経靭帯、腸骨稜
停止:腹直筋鞘、白線、恥骨
主な働き:下位肋骨を下に引き、腹腔内圧拡大
・腹腔の容量を小さくし、排便、嘔吐、くしゃみをするときに働く。
・分娩時に働く。

 

▼腹筋とともに腰を動かす、腰方形筋

腰方形筋は「腹」という文字は含まれませんが腹部のスタイルにも関連する筋肉です。
背骨の腰にあたる部分を腰椎といいますが、それを横から支えるように付着しています。
骨盤から肋骨まで、そして腰椎に沿うように縦に走行しています。
腰方形筋の役割の一つは腰椎の側屈、横に体を傾けることです。
右側が縮めば右に傾き左で起これば反対になります。
骨盤から肋骨までの距離が異なる場合ではこれまで出てきた腹筋群とともに腰方形筋の左右差もあります。
姿勢やウエストラインで気になる要素として骨盤の高さが異なる点があげられることがあります。
腰方形筋には骨盤を肋骨側に引き上げる力があります。
片側の筋肉が過度に短縮すれば骨盤が引き上がり、そこにつながる股関節も引き上がるようになります。
椅子に座っている際に足を組むことや、片側に傾いて作業をしているなどは左右のお尻に乗る重さも異なり骨盤の高さも差が出やすくなります。
脇腹も片側のみが潰れたようになり圧迫もされやすいので硬さが生じやすくなります。
狭くなった脇腹の空間では段差ができますがくびれはかたち作られにくくなりますので筋肉を鍛えるとともによくストレッチをして適切な長さにしておくことがよいといえます。

起始:腸骨稜、腸腰靭帯
停止:第12肋骨、腰椎1~4番
主な機能:腰椎の伸展、側屈、第12肋骨の下制
・座った状態から側屈してものを拾い上げる。
・腰を反らす。

 

●シンプル、定番の腹部のトレーニング

 

▼部分ごとに分けて腹筋を鍛える

 

腹部に限らず筋力トレーニングは数多くありますが、道具を使わず可能な定番の筋力トレーニングを紹介します。
目的は、腹部の筋肉に負荷をかけてその筋肉を鍛えていくことです。
もちろん、数回行うだけでは筋肉が大きくなり筋力が増強することがないですが、日ごろ意識的に使う機会がなければ少しの回数できつさを感じるかもしれません。
回数では目安ですが、勢いよくたくさんの回数をしようとせずに、体がどのように動いているかも意識しながら行いましょう。
そして、力を入れて筋肉を使うことだけでなく、その分ストレッチで伸ばすようにすることも忘れずに行いましょう。
また、腰の痛みや首の痛みを持っている方は無理がないように実施をするようにして、専門医へ運動の可否の相談もするようにお願いします。

クランチ
主に使う筋肉:腹直筋上部
仰向けになり両膝を立て、両手を頭の後ろに添えます。
息を吐きながらみぞおちとおへそを近づけるように腹筋を丸め、肩甲骨が浮く程度まで持ち上げます。
息を吸いながら頭が下につく手前まで体を戻します。

ポイント:反動をつけて上がらない・骨盤と腰で床を押すようにする
10回を3セットができることを目標にしましょう。

ツイストクランチ
主に使う筋肉:外腹斜筋、内腹斜筋
仰向けになり両膝を立て、片手を頭の後ろに添え、反対の手は床に置きます。
息を吐きながら右の胸と左の骨盤を近づけるように斜めに腹筋を丸め、肩甲骨が浮く程度まで持ち上げます。
息を吸いながら頭が下につく手前まで体を戻します。
反対側も手を入れ替えて行いましょう。

ポイント:反動をつけて上がらない・肘はできるだけ広げておく
10回を3セットができることを目標にしましょう。

サイドプランク
主に使う筋肉:外腹斜筋、内腹斜筋、腰方形筋
横向きになり後ろ側に膝を曲げ、右の肘と左手を床につきます。
右の脇腹と腕の支えを利用して体を床から離します。
余裕があれば左手を床から外します。
反対側も入れ替えて行いましょう。

ポイント:呼吸は自然に続ける・肩を下げて首を長く保つ
10秒を3セットできることを目標にしましょう。

縮める運動の後はしっかりとストレッチをして柔軟性を確保しましょう。

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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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