このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「身体に適した“あぶら”を選ぼう」です。

 

●私たちは“あぶら”にお世話になっている

 

菜種油、オリーブオイル、亜麻仁油など、さまざまな種類の油があり、手に取ることが出来ます。
その油には脂肪酸という成分があり、身体に対してよい、あまりとらない方がよいといったことがいわれています。
とった瞬間に身体に何かが起こるわけではありませんが、油は脂質であり、人にとってエネルギー源、そして脂肪として身体を構成する材料となります。
口にするものでなくとも、アロマオイルやオイルマッサージなどがあるように、皮膚や筋肉のケア、リラックスにも使われるもので身体を健康に保つためには必要なものです。

食べもの、味としておいしい食事をつくるには必要なものなのですべてを敬遠することはないですが、せっかくならよい影響があるものを取りたいものです。
どんな種類があるか、普段口にしているものにはどんな油が含まれているかをみていきたいと思います。

 

●脂肪酸の特徴と身体の影響

 

▼飽和脂肪酸の過剰摂取に気をつけよう

 

脂肪酸とは、油を構成する成分でその構成要素によって油脂の特徴や栄養価が決めらます。
動物性のものが中心の飽和脂肪酸と植物性のもの中心の不飽和脂肪酸があります。

飽和脂肪酸は「油」よりは「脂」で表現されるものが多く、常温で固まるものがあげられます。
ラード、牛脂、バター、チーズ、マーガリン、ココナッツオイルといったものがあります。
マーガリン、ココナッツオイルは植物性のものですが、常温では固形です。

料理に使えばわかる通り、これらは熱を加えると融けて液体になります。
脂には融点という、液体に変わる温度があります。
それぞれ融点は異なり、マーガリンは30度前後、ココナッツオイルは24度なので種類によっては冷蔵庫にしまっておかなければなりません。

しかしラードや牛脂などは高温でなければ融けません。
脂を取りすぎることが身体によくないといったことはこの融点の影響があります。
ラードや牛脂の融点は部位によって異なりますが、40度前後とされています。
私たち人の体温は36.5前後です。
40度くらいないと液体化しないものが36.5度のところに入り込んだらどうなるかといえば、固まるのです。

飽和脂肪酸が体内で固まると、血管内に蓄積されます。
固まって粘性の高い脂肪はコレステロール、悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールが含まれます。
それが動脈硬化を引き起こすということになり、動物性脂肪を取りすぎないようにしましょうということにつながります。
また脂質であるためカロリーも高くなりがちなため肥満にもなり、インスリン抵抗性が増して糖尿病のリスクが高まるとされています。

 

▼飽和脂肪酸の不足のリスク

 

悪者扱いされる一方で、少なすぎても疾患を起こす可能性もあるそうです。
飽和脂肪酸を多く摂取したほうが脳卒中のリスクが減少したという研究や、動物性油脂がうつ病などの精神疾患の改善を促進させる可能性もあるといわれています。
脳の構成分の約60%が脂質であることも関連しているのかもしれません。
飽和脂肪酸は少なすぎても多すぎても健康に影響を及ぼすため、農林水産省では目標量を総エネルギー量の7%以下になるように基準が設定されています。
総エネルギーが1日2000Kcalの人の場合、1日の飽和脂肪酸摂取量は10g~15.6gになります。
食べるごとに飽和脂肪酸は多いか少ないか、何gかはなかなか測定ができないので、脂身が多かったとか、赤身を中心に食べようとかに気を配るとよいのではないでしょうか。

 

●不飽和脂肪酸の特徴と種類

 

▼普段使っている油はオメガ?

 

不飽和脂肪酸は常温では液体で、植物油や魚の油に多く含まれています。
植物性のものは種類が多く、べに花油、オリーブオイル、こめ油といったものがあり、家庭での調理に活用されています。
不飽和脂肪酸の多い油脂は粘性が低く、さらさらしている特徴があり、お肌のお手入れにも活用されています。
あまりベトベトするものを塗りたくはないですからね…。

この不飽和脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸の3つに分類されます。

この中で、多く摂取しやすいものがオメガ9です。
オメガ9が多い油は菜種油・オリーブオイル・ごま油・米油・ひまわり油などです。
日常でお料理に使っているものが多いと思います。

このオメガ9に含まれる脂肪酸で代表的なものはオレイン酸です。
調理油のパッケージで記載されているものもあるかと思います。

オレイン酸は酸化しにくく、身体の老化を予防する抗酸化作用があるといわれます。
過酸化脂質という、活性酸素などにより酸化した脂肪が増えることで血管の老化が起こるとされますが、これを抑制する効果が期待できます。

体内で合成できるため身体によいといっても過剰に摂取することは気をつけましょう。

 

▼オメガ3、オメガ6は必須脂肪酸

 

この中で、私たちの健康を守る上で絶対に欠かせないのが、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸です。
オメガ9と違い、人体の中で作り出すことはできません。
そのため、オメガ3とオメガ6は、どちらも食品から必ず摂らないといけません。このことから、必須脂肪酸とも呼ばれています。

その役割は、体温を調整する、細胞膜の成分になる、中枢神経と脳の成長、維持を助ける、表皮の保護などに活用されています。

オメガ6は、ひまわり油・大豆油・べに花油・グレープシードオイルなどに多く含まれており、注目されているものはリノール酸です。

必須脂肪酸というものなので積極的に摂取したい感じがしますが、私たちの日常ではリノール酸をとる機会がとても多いのです。
鶏肉、ドレッシング、ポテトチップス、ソーセージ、ナッツ類などに含まれています。
以前は脂質異常症や糖尿病の改善のため、コレステロール値を下げる効果のあるリノール酸の摂取が推奨されていきました。
その後、大量摂取は善玉コレステロールといわれるHDLコレステロールを低下させること、リノール酸の代謝物であるアラキドン酸が、炎症物質を産生させることが研究で分かってきています。

体の機能のためには必須なものではありますが、通常の食事から摂取できるもので意識して取ることはないということです。

 

▼オメガ3の役割が大事

 

オメガ3に含まれる代表的なものは、αリノレン酸・DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)です。

αリノレン酸が多くまれているものは、えごま油、亜麻仁油です。
強い香りや味がしないものなので、いろいろな食品にかけて食べることができます。
油そのものはもちろん、ドレッシングでも使われているものも販売されています。

DHA・EPAは青魚に多く含まれています。
「魚を食べると頭がよくなる」といった話や鮮魚コーナーでそんなフレーズを聞いたことはないでしょうか。
脳の神経細胞(情報伝達する細胞)はDHAなどで作られているため、この神経細胞がより情報伝達しやすくなることで、さまざまな情報が伝わりやすくなるといわれています。
それにより記憶力をよくしたり判断能力を向上させたりすることが期待されということです。
ラットの実験によりDHAを多く摂取した個体は学習能力がよかったといったことがあり人間にも当てはまる可能性があるということです。

オメガ3の役割は脳への影響に加えてオメガ6とのバランスをとるという重要なものがあります。

オメガ6は炎症物質を増やしてしまうことがあるとありましたが、これは免疫機能である白血球を活性化させる役割があります。
免疫機能の維持向上は細菌やウイルスと戦うために必要なことですが、過剰になれば自身の細胞を必要以上に傷つけてしまいます。
そこでオメガ3です。

オメガ3には細胞膜の構成、炎症作用の抑制、アレルギー作用の抑制する役割があります。
オメガ6の作用により外敵から身体を守るための機能が過剰にならないようにオメガ3が適度に保ってくれているのです。
これはどちらがよくてどちらが悪いということはなく細胞が健康でいられるようにしています。
私たちの食生活はどちらかといえばオメガ6を多く摂取する傾向にあるといわれます。
オメガ3が摂取できるものを意識的に食生活に加えることが勧められています。

 

●トランス脂肪酸の未来はどうなる?

 

トランス脂肪酸は天然に食品中に含まれているものと、油脂を加工、精製する過程でできるものがあります。

加工してできるものはショートニング、マーガリン、ファットスプレッドといったものです。
クッキー、菓子パン、ファーストフードに多く使われおり、原材料をみると記載されているものが多々あります。

加工、精製してできたものは自然界に存在しない分子構造をしているということで人体に悪影響があるといわれています。
トランス脂肪酸が一因となって、動脈硬化、心筋梗塞、虚血性心疾患、高血圧、HDLコレステロールの低下、LDLコレステロールの増加、がんなどを引き起こすとされ、アメリカ、カナダ、デンマークなど使用に対し規制をかけている国もあります。

欧米と違い日本では規制はかかっていませんが、各企業がトランス脂肪酸の使用を抑えているといった活動が見られます。
各企業が日本を飛び越し世界標準で合わせているのか、規制がかかった際に対応できるようにしているか、消費者目線でのことかはわかりませんが、人間が作ったもので身体を壊す可能性があるというのは、食品に限らず難しい問題ですね。
おいしいものを安全にということができることはよいことだと思います。

ちなみにWHO(世界保健機構)は2023年までにトランス脂肪酸を全廃するといった方針を打ち出していました。
もう年末ですね・・・。

日本ではそもそも脂質の取りすぎに気をつけましょうといった訴えのようです。
高カロリーで脂質が多い食事では当然、トランス脂肪酸を多く摂取してしまうことになるので、健康的でいるにはバランスよく、いろいろな食品と取りましょうということです。

 

●まとめ

 

油は脂質が多いからと極端に敬遠することはなく、身体に大切な栄養素です。
過剰になってはカロリー過多で体脂肪を増やす要因になります。
やはり身体によい影響のある油を、適度にということです。

・油は脳や細胞を守るために必要なもの。
・不飽和脂肪酸にはオメガ3・オメガ6・オメガ9があります。
・オメガ9は摂取が多い、オメガ3とオメガ6のバランスをとるとよいと考えられます。
・トランス脂肪酸を含め、過剰な油、脂質の取りすぎにならないようにしましょう。

 

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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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