このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「痛みの感じ方と予防」です。

 

●痛みとは何か

 

▼痛みは大切な警告システム

 

じんじんする痛み、重たくずっしりする痛み、激しく鋭い痛みなど痛みといっても様々な種類の痛みがあります。
人はなぜ痛みを感じ、悩まなければならないのでしょうか。
何も痛みを感じなければそれに悩まされないのですが、備わっているセンサーがあります。

病気になってしまったり、切り傷で血が出たり、体をぶつけて打撲をしてしまって腫れたりすることで痛みを感じます。
これは私たちにとって有用な警告システムであり、「何かがおかしい」とい知らせていることになります。
その警告の目的は身体に有害なことが起こらないようにすることであり、傷や腫れが治るとともに消えていきます。

 

▼身近に経験する様々な痛み

 

・頭痛
緊張型頭痛は頭を支える首の筋肉の疲労で血行不良が起こることが原因と考えられています。
片頭痛は頭部の血管が拡張するためだと考えられていますが不明な点も多いとされています。

・筋肉痛
負荷の高い運動により筋繊維が壊れると、それを修復するために炎症がおき、痛みが発生します。

・腰痛
長時間のデスクワークなどで起きる腰痛は腰部や背部の筋疲労によって起こることが主な原因です。
日常の身体の動かし方や姿勢によって負担がかかっていることもあります。
急性の腰痛では腰椎への強い負荷により関節周囲の組織に負荷がかかることによるものが多くなります。

・腹痛
内臓は痛みを感じる神経が少ないため、どこが痛いのかはっきりわからないという特徴があります。
食中毒では有害な微生物やその微生物が放出した毒素により消化管が炎症を起こし腹痛を生じます。

・歯痛
歯の内部の「歯髄(しずい)」という部分に痛覚神経があります。
歯の表面はエナメル質に覆われているため痛みを感じませんが、虫歯菌などにより侵食されて歯髄に炎症が起きると痛みを感じます。

 

●痛みを感じない症状

 

痛みは嫌なものですが本当に感じなくなってしまったらどうなるものでしょう。
運動中に足首を捻挫してしまっても何も感じずそのまま動き続けてしまったら、そこで傷めた足首の靭帯はさらに壊れ、関節の構造にも影響を与えてしまうものと思います。
実際にまったく痛みを感じない「先天性無痛無汗症」という病気があります。
症状がある人は痛みや熱さを伝える神経が発達しないため、それらを伝える信号が脳に伝わりません。
何をしたらどの程度痛みがあるかという学習ができず、骨が折れたり、やけどをしたり、食中毒になっても本人は痛くないため治療の機会を持つことがありません。
また他者をたたいたということがあってもどれくらいの強さが痛いのかがわからず傷つけてしまうということもあるようです。
痛みを感じるシステムは火災報知器のようなもので、けが、傷、病気という身体に生じた炎を痛みとして発信をして知らせてくれるものなのです。

 

●痛みの感じ方

 

▼痛みは脳の中にしかない

 

痛みの正体とはいったい何なのでしょうか。
皮膚には痛覚、触覚、圧覚、温覚、冷覚という五つの感覚の受容器(レセプター)があります。
たとえば指先を切ってケガをしてしまったとき、痛みの信号は痛覚を介し脊髄に入ります。
脊髄から脳に運ばれて視床という部分を通り大脳皮質に至ります。
こうして傷ついた場所や深さを感じとります。
それに加え、痛さという気持ちの面、情動は大体辺縁系という部分で感じ取ります。
そこでこれまで経験した痛みの記憶と照らし合わせて不快な気持ち沸いてきます。
脳で生じた感覚と情動が合わさって痛さがつくられています。
自分の脳で起こる主観的なものなので他者の痛みは想像するのみということになるのです。

 

▼痛みを感じるたんぱく質とは?

痛みの元である傷口ではどのようなことがおこっているでしょうか。
痛覚神経の先端には刺激を感じとる機会受容チャネルというたんぱく質があります。
皮膚が強く圧迫されたり、切れたりすると機会受容チャネルがその刺激を電気信号に変換します。
この信号が脊髄から脳へと伝わると痛みを感じるようになります。
痛覚神経にはAδ(デルタ)線維とC線維という二つの種類があります。
Aδ線維は機械受容チャネルだけがあるのに対し、C線維には発痛物質を受け取る受容体があります。
傷を生じ細胞が壊れると発痛物質の一つであるプロスタグランジンがつくられます。
プロスタグランジンには痛みを伝えることはないですが、痛覚神経がこれを受け取ります。
発痛物質や炎症物質は傷口の血管を拡張して血流量を増加させたり、発熱を促す役割を持ちます。
そのため傷口は赤く腫れ、熱を持つようになります。
傷口が赤くなり、むくみ、熱を持つ状態が炎症です。
頭痛や筋肉痛もこの炎症が痛みの原因の一つと考えられています。

 

●出来れば避けたい慢性痛

 

▼慢性痛の症状

 

指を切った、打撲をして腫れたといったもので痛みが出るのは急性痛と呼ばれます。
怪我が治れば一安心のものがある一方、日々付き合う慢性的となるものがあります。
慢性痛とは慢性頭痛、慢性腰痛というように、痛みの原因であるケガや病気が治っても痛みが続く現象です。
がんや関節リウマチによる痛みは痛みが続くとう点では慢性のものですが、常に患部で炎症を起こしているので持続性の急性痛と呼ばれます。
痛みは火災報知器のようだとありましたが、火を感知していなのに報知器が反応しているものが慢性痛の症状です。

慢性痛は怪我や病気をきっかけの起こることはありますが、100%これだという原因がわからない痛みです。
ほとんどは身体にとって無益、有害なものだと思います。
痛みが長期化する原因の一つに、脳の快を感じる部分の働きが低下しているということがあります。
慢性痛を持つ人は不快な痛み常に感じやすいため、快を感じ取る部分を回復させることができれば痛みが気にならない生活に戻れる可能性があるという考え方があります。

 

▼疼痛の分類

 

・侵害受容性疼痛
侵害刺激は熱刺激、冷刺激、化学的刺激などと、それに伴いは発生して発痛物質が末梢神経の侵害受容器を刺激して起こる痛みのことです。
ケガや火傷などを起こしたときに生じる痛みがこれにあたります、
この疼痛の多くは急性痛とされています、
肩関節周囲炎、腱鞘炎などがこれにあたります。

・神経障害性疼痛
組織の損傷や病気による症状が治っても神経が痛みを起こすものです。
代表的なものに帯状疱疹後神経痛や糖尿病神経障害による痛みやしびれがあります。
神経の損傷、または機能異常によって起こる痛みのことを指し、知覚異常を伴います。
侵害受容器を経由せずに神経系が自発的に興奮して起こります。
痛覚過敏といわれる刺激の強さに対する痛みの感覚の応答が、弱い刺激に対しても正常より痛く感じるものがあります。
さら普通は痛みを感じない程度の刺激に対しても痛みを感じてしまう感覚異常のことをアロディニアといいます。

・心因性疼痛
身体の異常によるものではなく、心理的な原因に由来する疼痛がこれにあたります。
多くは心のみに原因があるのではなく社会生活で受けるストレス、日常で抱えている不安などの多くの要因(生物学的、心理的、社会的、行動要因)が複雑に関与する可能性があるとされます。
原因がわからない痛みは心因性疼痛にあたるものではないという理解が必要なものです。

 

●日常での負荷による痛み、筋筋膜性疼痛

 

▼筋筋膜性疼痛の要因

 

局所的な筋性の痛みで、いわゆるコリにあたる部分はトリガーポイントともいわれ次のような特徴があります。

・筋肉内に索状物、ひものようなかたちを触れることが出来る。
・その索状物内に発痛点がある。
・発痛点を刺激したときに放散痛が起こる。

慢性的な肩こり、腰痛、緊張性頭痛も筋筋膜性疼痛が原因という可能性もあるといわれます。
痛みを感じてもレントゲンや血液検査で症状が現れることはなく異常がないことが特徴です。
長期間に及び痛みが続くと持続的に筋肉が収縮してしまい部分的に血液循環が悪くなり発痛物質が蓄積していくことがあります。
また腹部の筋筋膜性疼痛は腹部臓器の疾患、胸部については心血管系の疾患の症状に似ているということもいわれ、検査を繰り返し行うというケースも出ているそうです。

筋筋膜性疼痛の原因は以下のことなどがあげられ、筋肉への過剰な負担や疲労の蓄積がによることが大きいといえます。

・長時間の不自然な姿勢
・重量物の運搬
・痩せたことによる筋量の低下、体脂肪に対しての筋量の低下
・筋肉の柔軟性の低下
・休息の不十分
・ストレス

姿勢や休息の不足など、日常で感じる疼痛は日常の生活パータンにより起こるものが多いといえそうです。

 

▼筋筋膜性疼痛の予防には運動が一つ

 

筋肉の内部には血管が通っているため動かすことにより血液循環が促進されます。
運動不足により筋肉の柔軟性が低下する、関節の可動域が狭くなる、カタくなるといったことがやはり要因の一つです。
人によってはストレスによって緊張して力が入っていることが多くなり、血行不良や筋肉のカタさにも影響をすることがあると思います。
運動不足を補うために、何かのスポーツ大会などを目指して追い込むようなことをする必要はありません。
痛みが強く出るまでの動きを避けて、どの程度のことなら痛みを感じないか、無理なストレスがなく動きができるかを確かめながら愛護的に行うことが大切です。

 

▼ストレッチで身体の動きを確かめよう

痛いと身体を動かすことに気が向かなくなるものですが、運動不足で発痛物質を蓄積しやすくなっていることも原因の一つ。
そこで日常的にできるのはストレッチが有効です。
低強度で身体を動かしカタさがある筋肉の柔軟性と関節可動域を戻していくことが期待できます。
ストレッチにもゆっくりと伸ばす静的ストレッチ、動かしながら血流と関節可動域を高める動的ストレッチがあります。
静的ストレッチは一部の筋肉を伸ばしたかたちで20秒程度保ち、ゆっくりと伸長させるものです。
意識してゆっくりとした呼吸をすることで緊張もしにくくリラクセーションの効果も加わります。
動的ストレッチは関節の曲げ伸ばしや回す動きなどを使って筋肉や関節周囲の組織の可動域を上げていくものです。
動かすことよって血液循環が増していくので疲労物質の除去にも有効です。
どちらも好みで行っていただいてよいと思いますが、例えば就寝前で身体を休めるタイミングであれば静的ストレッチ、デスクワークの合間で身体が固まった感じがしたら動的ストレッチ、
起床時でまだ身体が動きにくいようであれば静的ストレッチの後に動的ストレッチをやるというように使い分けをしていくとその時に身体の状態に合わせた運動にすることができます。

 

●まとめ

 

今回は痛みのしくみついてお伝えしました。
怪我や病気によっての痛み、思わぬ疾患が潜んでいる痛みなど数多くあると思います。
専門医などの適切な診断をもらったうえで対処をするようにしましょう。

・痛みは身体に「何かがおかしい」と知らせてくれる警告システムである。
・痛みは刺激を脳で受け止めてその痛さを感じる仕組みがある。
・運動を取り入れることで痛みの予防になる。

 

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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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