このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」
執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。
今回のテーマは「ゴルフに必要な運動要素」です。
●ゴルフは生涯スポーツ
ゴルフは老若男女で楽しめるスポーツで、年齢が上がっても続けることができる生涯スポーツといえるものだと思います。
楽しみ方はそれぞれ、仲間とコミュニケーションをとりながら時間を過ごす、終わった後に美味しご飯を食べる、勝負事としてよいスコアを出すといったことなどがあります。
やはりよいスコアが出るとうれしいもので、理想のスイングや展開を求めている方もいることと思います。
いろいろな理論や必勝法がありますが、ここでは身体の筋肉や関節の動きなどを主にして見ていきます。
今回の情報のみでは足りないこともあると思いますが、ゴルフのパフォーマンスアップの参考にしてみてください。
●首の動きと肩甲骨のストレッチ
スイングの問題の多くはアドレスに潜んでいるとったことがいわれるようです。
状況によってはリラックスしたアドレスをとろうと思ってもつい力が入ってしまうこともあるかもしれません。
足の幅やボールとの距離は体格やクラブによって変わると思います。
力んでいると感じるときには、肩が上がって重心が安定していないことがあります。
それを防ぐためにコントロールしたい肩甲骨の動きが、下にさげる下制という動きです。
肩甲骨が頭側に持ち上がると首が短くなり、そこにつながる腕も引きあがってしまい、重力に逆らった状態になります。
首を長く保ち、アドレスからスイングまでを行うためには肩甲骨を下制させるコントロールができるとよいと思います。
またボールとコースの目標を黙視するためには首の可動域が必要です。
アドレスをとり、ボールを見る、その後にコースの目標を見るために首を動かすと思います。
そのさい、首を横に向けたときに身体が大きく動いてしまうと決めたアドレスのかたちが変わってしまうことになります。
首の頸椎は7つの骨が積み重なっていますが、そのうち回旋する動きのほとんどは頭部に近い、上の2つで行われているといいます。
頸椎の周囲の筋肉がカタくなってしますことでコンパクトな回旋が行いにくくなり、肩や胸が過剰に動いてしまうエラーが生じます。
ボールを見る、コースを見る、元の位置に頭と目線が戻るというが理想なのだと思います。
頭と首をつなぐ筋肉をほぐし、ストレッチをして余分な動作が起こりにくくなるようにしていきましょう。
また左右の視力の差があると見やすい側で捉えることがあります。
適切に矯正ができるのであれば整えてみると、目線を安定させ首に負担をかけないことにもなると思います。
●フォームを安定させるための足部のトレーニング
ゴルフは打ちっぱなしの練習場では平坦な地面で行うことが多いと多いと思いますが、外のラウンドでは芝の上、バンカーでの砂地、林の中に入っていけば土の上、またコースそのものに起伏があり、角度のある地面の上で身体を安定させなければなりません。
そこで必要になる要素の一つが足首の柔軟性と、足部で身体のバランスがとれることです。
ゴルフシューズで安定しているとはいえ、スイングによる体重移動をとらえ、両足から片足に、そして逆足にという重心の動きを伝えるには足部のセンサーとしての役割が必要です。
いまどのあたりで地面を踏んでいるかを捉えるのは足部の機能の1つです。
身体の重心をコントロールには支持基底面という、身体の接地面の捉えかたがあります。
両足で立っていればその両足の前後、左右の幅の面積が支持基底面です。
左右の足の幅が横に広くなれば支持基底面が横長になり、重心は横移動が得意になります。
スイングのセットアップのさい、スタンス幅が狭いと体重移動しやすくなりが、安定感は低下します。
反対に広ければ安定感はありますが、体重移動が大きくなります。
どのような状況でスイングをするかによりますが、足で地面を捉えて重心をコントロールする上では足部も関連しているといえます。
●スイングのための回旋力をつけるストレッチ
バックスイングからフォローするまで起こる身体の動きが体幹の回旋(ショルダーターン)です。
アドレスを決めた位置からテイクバックをするときには右打ちのゴルファーであれば身体が右に向かって大きく回旋します。
そしてダウンスイングからフォロースルーに向かって身体が左回旋をしてフィニッシュとなります。
この回旋に必要な関節の運動が、股関節、脊柱、肩甲骨の可動性です。
股関節の回旋のための関節運動を、内旋、外旋といいます。
足をまっすぐに向けて立ち、身体を右に向かって捻ると、足に対して骨盤が右に向いて、上半身も同じく右方向に回旋します。
このとき、右の股関節は内旋、左の股関節は外旋という動きをしています。
腰を回すというイメージを持っていることもあるかもしれませんが(イメージなので、スイングに有効あれば必要)、腰の部分にあたる背骨の腰椎は回旋には不向きな構造をしています。
股関節と骨盤が回旋することによって、その上に乗っている腰がついてくることで体幹の回旋が生じてきます。
この股関節の回旋する可動域が少ないと、スイングのさいの捻転が小さくなったり、回旋しようという動きの代わりに身体を横方向にスライドさせたりする動作が起こりやすくなります。
また、股関節は可動関節といって、回旋だけでなく前後左右と多く動く特徴があります。
本来の可動性が落ちてしまうと、腰椎や膝関節がその可動性不足を補いうために余計に動いてしまい、負担がかかることがあります。
回旋動作に関わる部分の2つめは脊柱です。
脊柱の構造は、首の頸椎、上半身の上部の胸椎、腰にあたる下部の腰椎に分かれます。
腰椎は安定することが求められるので回旋を無理にすることは避けるようにしていきましょう。
そして回旋を生み出すのが上半身上部の胸椎で、腰椎と異なり回旋をしやすい形状をしています。
右側にバックスイングをするときには、骨盤が右に捻られることで腰椎も右に向き、さらに胸椎の右回旋によってバックスイングの捻転をつくります。
股関節の可動性低下と同じく、胸椎の可動性が低下すると腰椎への回旋ストレスがかかることがあるので胸が回るといった動きを使えるようにスイングや、そのためのトレーニングをしていくとよいと思います。
また、胸椎の回旋は肩甲骨と連動します。
肩甲骨の動きに背骨側によっていく内転と、背骨から離れるように動く外転というがあります。
右の肩甲骨を背骨側によせると胸椎も右に向かって回旋し、反対に背中から離れるように外転すると胸椎は左に回旋します。
右へのバックスイングであれば右の肩甲骨は内転、左の肩甲骨は外転することで右回旋のバックスイングの動きにつながります。
胸椎の動きと肩甲骨の動きが合わさることで体幹部の回旋の幅が広がり、腰椎への回旋ストレスの軽減にもなります。
反対に回旋の動きが出にくくなると、肩から先の腕で振ることになり、体幹のパワーをうまく
使うことがしにくくなります。
また回旋の代償の動きとして横にスライドしたり、傾く動きが起こりやすくなったりして、重心の安定しにくくなります。
股関節や胸椎の可動性が広がっていけば捻転が大きくなりクラブからボールへ伝わる力が大きくなると思います。
ただそのためにはその可動域をコントロールするための筋力やバランス能力が必要になります。
たとえば、ペットボトルの蓋を開けるとき蓋とボトルが同時に回ってしまえば蓋は回転してくれません。
ボトルが固定されていることで蓋を回すことができます。
足元がしっかりと安定して股関節が回る、腰椎が安定して胸椎が回旋するといったそれぞれ必要な役割をすると身体にも負担がないスイングにつながります。
●スイングを繰り返すための持久力も必要
ゴルフ18ホールをこなします。
カートを使って周ると5~7km、カートを使わなければ10km程度の距離を歩くことになるとされます。
そのために必要なものは身体の持久力で、一定の運動を続けるける有酸素能力の比率が70%を占めているといわれます。
スイングにパワーがあったとしてもそれを長時間にかけて何度も繰り返すには、ベースとなる体力が求められます。
また単純に移動するだけでなく、次のショットの準備やコースマネジメントといった先を考えていくエネルギーを使います。
疲労を蓄積させにくく、回復がしやすい状態をつくるには、有酸素能力、心肺持久力も大切な運動要素です。
毎週、ラウンドで18ホール周っているという方などは、それ自体が持久力をつけるトレーニングになっていると思います。
そのときによってスムーズに周れるとき、いろいろな状況に出くわす時とあるはずです。
移動する持久力、スイングをする可動域、筋力といったものがさまざまあると思うので、自身でここをもっとよくしたら理想的になりそうというものを見つけてみましょう。
●まとめ
ゴルフは生涯スポーツとなるので、楽しく続けられている方は先もそれを継続していただきたいものと思います。
スコアや内容にこだわらずに行うことも、遠くに飛ばしたい、狙ったところへアプローチを決めたいなど目標をつくることもそれぞれの楽しみ方があるはずですが、身体への負担を軽減していくためには筋肉や関節に適した使い方があることも知っておきましょう。
・足の安定感や足首の可動性でさまざまな地形に対応しやすくなる。
・身体の回旋には股関節、胸椎、肩甲骨の動きが大事。
・ラウンドを周るには持久力。
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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/
本部著書&公式ブログ 監修・執筆
本部研修トレーナー 渡辺 久進
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