このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」

執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「血管のコンディションにストレッチ」です。

 

●血液と血管の存在

 

血液は体内の静脈や動脈という血管の中を流れています。

体内を循環する血液の量は、およそ体重の13分の1、8%とされています。

「細胞成分」である「赤血球」「白血球」「血小板」と、液体成分である「血漿(けっしょう)」から構成されています。

身体の中に張り巡らされた血管の長さは、総延長10万キロ、地球を2周半する長さがあるとされています。

そのほとんどは直径が100分の1mm程度の毛細血管です。

血管は心臓から血液を送り出す「動脈」と二酸化炭素を回収して心臓に血液を送り返す「静脈」、動脈と静脈の間にあり動脈血中にある酸素と栄養素を末端組織に供給する「毛細血管」の3種類に分けられます。

また心臓自体に酸素や栄養素を供給する血管を「冠状動脈」といいます。

血管がカタくなり弾力性がなくなることで異常を起こした状態が「動脈硬化」、弾力がなくなったとしても心臓から送り出される血液の量は加齢によってはほとんど変化しません。

若いときと変わらない血液の量が硬化した血管に圧力をかけるので負荷になっていきます。

心臓収縮期の血圧(最高血圧)と弛緩期の血圧(最低血圧)との差を「脈圧」といい、脈圧が大きいと動脈硬化が進行しているケースが予想できるのです。

硬化した血管にはにコレステロールが蓄積しやすくプラークと呼ばれる塊をつくります。

そのプラークによって血管の内側が狭くなると心臓に血液を送る冠状動脈の流れが悪くなり、酸素や栄養が不足する状態である「狭心症」という症状になります。

プラークがはがれるとその傷を修復するためにかさぶたのような血栓ができ、心臓の冠状動脈が血栓で塞がれると「心筋梗塞」、脳の動脈が血栓で詰まると「脳梗塞」になります。

血栓によって血管がふさがれてしまうと血液の通り道がなくなり、もろくなった血管を破裂してしまうこともあります。

動脈は全身に通っているので動脈硬化は身体のどの動脈でも起こることです。

加齢、脂質異常症、喫煙、高血圧、糖尿病など動脈硬化の危険因子とされています。

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●毎日つくられる血液

 

血液をつくる場所は骨の中心部の「骨髄」、または「胸腺」です。

血液のうち、血球といわれる「赤血球」、「白血球」、「血小板」の3種類が骨髄で、「リンパ球」のT細胞のみ胸腺でつくられています。

赤ちゃんの頃は、全ての骨の骨髄で血液はつくられますが、成人になると体幹の中心にある胸骨、脊椎、肋骨、骨盤など限られた骨髄でつくられます。

骨髄には約1兆個の細胞が存在しているといわれており、そのうち赤血球は約2000億個、白血球は約1000億個、血小板は約1億個が毎日つくれているとされます。

これら3種類の血液細胞は「造血幹細胞」と呼ばれる細胞からつくられます。

造血幹細胞は増殖を繰り返し、さらに赤血球、白血球、血小板と成長し血液中に放出されます。

この過程が「造血」です。

造血機能のある骨髄を赤色の「赤色骨髄」といい、発育とともに脂肪が増えて「黄色骨髄」になり造血機能を失います。

白血球は、顆粒球、単球、リンパ球からなります。

これらの血球は骨髄でつくられますが、リンパ球のT細胞は骨髄の造血幹細胞から胸腺に移り、ここで成熟してT細胞になります。

胸腺は心臓の少し上にあり、16歳頃がピークで以後年齢とともに小さくなっていきます。

 

●血液の細胞と大事な役割

 

▼酸素を運ぶ赤血球

 

赤血球は血液の成分の96%を占める細胞で、「ヘモグロビン」というタンパク質が含まれています。

鉄を含む「ヘム」とタンパク質の「グロビン」が結びついてでき、赤い色素を持っていることで血液は赤色をしています。

赤血球は肺で受け取った酸素を全身に運び、運ばれた酸素や栄養分はエネルギー源として使われます。

そして不要になった二酸化炭素を回収し肺に戻し体外に排出します。

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赤血球の寿命は約120日といわれていて、骨髄でつくられて脾臓で壊されるまでの期間です。

産生と破壊のバランスが保たれなくなると病気として身体に不具合が現れます。

もし成人が動脈性の出血により全血液量の3分の1以上を失うと生命に危険が及び、2分の1以上が失われると心肺停止に陥ります。

赤血球の病気で多いのは「貧血」です。

赤血球数やヘモグロビンが基準値よりも減少した状態の総称をいいます。

貧血といっても原因によって様々な種類のものがあります。

「鉄欠乏性貧血」は赤血球の構成成分である鉄分とヘモグロビンが不足することで起こる貧血で、最も頻度の高いものです。

その他「巨赤芽球性貧血」、「溶血性貧血」、「再生不良性貧血」などがあげられます。

一般的に貧血の症状として、顔色が悪くなり、頭痛、耳鳴り、めまい、動悸、息切れ、疲れやすい、爪がもろくなるなどの症状が現れます。

 

▼免疫として機能する白血球

 

白血球は体内に入った細菌やウイルスなどから身体を防御する免疫としての働きをします。

造血細胞から発生した後に成熟して、顆粒球系、リンパ球系、単球系に分かれます。

顆粒球系は「好中球」「好酸球」「好塩基球」になります。

好中球は血液中に最も多く存在し、細菌を取り込んで殺菌する能力に優れています。

好酸球、好塩基球はアレルギー反応に関連します。

リンパ球はB細胞、T細胞などになります。

B細胞は細菌やウイルスが侵入すると抗体をつくり、T細胞は身体を防御し、一度侵入した病原体を記憶して排除する機能を持っています。

単球系は白血球の中で最も大きくマクロファージと呼ばれ、身体の異物を食べる貪食細胞です。

白血球の基準値は年齢や個人差が大きいのですが、血液1ミリ立方メートルあたり4000~9000個とされています。

白血球の分かれかたや数によりどのような疾患が身体に起こっているかを見る指標になります。

風邪の初期では少なく抵抗力がなくなり、炎症や傷がある場合の反応は数が増えていきます。異常な増加は白血病などの原因の場合もあり詳しい血液検査の必要が出てきます。

 

▼傷の修復のための血小板

 

血小板の役割は血液凝固、怪我をしたとき傷が塞がるのは「血小板」の働きがあるからです。

造血幹細胞からつくられ寿命は3~10日ほどとされています。

赤血球や白血球は血管の中央付近を流れていますが、血小板は血管が傷ついたときにすぐに対応ができるように外側に近い部分を流れています。

止血のしくみには、血小板が働く一時止血といわれるものと、血漿の中の血液凝固因子が働く二次止血といわれるものがあります。

一時止血では血管が傷ついて血管の内側の細胞がはがれると、その下のコラーゲン繊維と血小板が結合します。

その後血小板が集まり、結合して傷口を塞ぎ血栓をつくります。

二次止血では血液凝固因子が活性されて血漿中の糖タンパク質の一種である「フェブリノーゲン」が「フェブリン」に転換されて血液はゲル状に変化します。

フェブリンは網目状になっていて血小板やそのほかの細胞をからめとって傷口を塞ぐという過程があります。

血小板は血液中の1%以下ですが、血液の流出を防ぐという重要な役割をしています。

 

 

●ストレッチで動脈硬化予防

 

20歳~83歳の526人を対象にした調査研究によると、40歳以上では、「身体のカタい人は動脈硬化も進んでいる」ということが報告されています。

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そこで血管のコンディションを保つために行いたいものがストレッチです。

動脈硬化の度合いを見るPWV(脳波伝播速度)検査から、ストレッチによって動脈硬化が改善し、血管が柔らかくなることも確認されています。

ストレッチ自体が軽運動にあたり、動くためには筋肉中に酸素と栄養素を送り届けなければなりません。

そして筋肉が伸長され、内部の血管も動きがでて弾力を保ちやすくなることが考えられます。

また、ストレッチ中にゆっくりとした呼吸を行うことでリラックスすることができ、血流が促進されることもあるとされます。

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●まとめ

 

血液は身体に当たり前にあるようなものですが、休むことなく毎日仕事をしています。

そして異常を知らせる役割もしている存在と考えられるものです。

予防になるストレッチは肩こりや腰痛予防というのは体感としてわかりやすい効果です。

血管が伸びているといったことは実感が持ちにくいものですが、行ったときに「血が回ってきた感じがする」というのはまさに血管と血液と筋肉の運動が合わさったものです。

健康寿命のためにも有効活用してみましょう。

・血液は栄養を運ぶ、外敵から身体を守る仕組みがある。

・動脈硬化は加齢や様々な疾患で進行する。

・ストレッチは動脈硬化予防と血流促進の効果がある。

 

 

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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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