このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「座り時間の長さと身体」です。

 

●日本人は座っている

 

デスクワークをメインに日々仕事に取り組んでいる方は多いと思います。

必ずパソコンを使わなくものでなくとも、座り仕事にあたるものをしている、また趣味などで座っている時間が長いというパターンで、動きの少ない日常である方もいることでしょう。

長時間、パソコンに向かったデスクワークや専門職のような座り仕事があることで様々ものやことが生産されているはずです。

数年前から指摘をされていることですが、世界から見ると日本人は座っている時間が長いといわれます。

2020年ごろのものですが、オーストラリアの研究機関によれば20か国中、平日の座っている時間が日本は1日7時間で第1位です。

同率で1位にサウジアラビア、第3位は台湾やノルウェーなど4か国が1日6時間と続きます。

その後コロナ化があり、在宅勤務を活用する業務形態となり、通勤の時間、社内でのフロアの移動などの機会が減少、1日の中で動く時間が少なくなるということが増加した時期もあったのではないでしょうか。

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人によっては仕事の効率があがり、自分の時間が確保できることでフィットネスクラブなどでの運動に活用できたり、地方移住によって家の中にいることよりも外出したりする機会が増えたということもあるのかもしれません。

これらは座り仕事によって身体が不具合を起こすことに抗うことになり、座っている時間が長いという自覚によって動く機会をつくっていることなのかもしれません。

 

●身体によくない、座り時間が長い影響

 

▼座り時間が長い影響・・・エネルギー消費量が落ちる

 

長時間座り続けていると、身体の動きが少ない状態が続き筋肉の動きもなくなります。

体内の血液は滞りなく流れていますが、筋肉の動きがなければ血液循環は停滞しやすくなります。

身体は血液により栄養素や酸素を細胞に送りますが、動きがないことでエネルギー消費が少なくなり、糖や脂肪の代謝が効率よく行われなくなります。

エネルギーを使うことが少なければ余ったものは体脂肪として身体に蓄積します

職場環境の変化などでデスクワークに変わったことで体重が増えたということがあれば、座っている時間の影響があるのかもしれません。

1211人のデータを分析した明治安田厚生事業団体力医学研究所の調査によると、糖尿病を患う確率が、座っている時間が1日9時間以上の場合、1日7時間未満の人と比べて2.5倍に上昇するとされています。

 

▼座り時間が長い影響・・・姿勢が悪くなる

 

ストレッチ店を利用する方の中には「座り仕事」「姿勢が悪い」といったことがセットになっていることが多く見られます。

その姿勢の悪さの中でも「猫背」という訴えが目立ちます。

これも日常生活から身体がインプットしてしまったことが要因にあげられます。

座り仕事をしているときに背中やお腹の筋肉に力をいれて背筋を伸ばすといったことを意識していることはなかなかないと思います。

パソコンに向かっていれば画面に目線と頭が向かい、背中を丸めてしまうことが多くなります。

また、頭の方向からだけでなく、椅子に浅く座って背もたれに寄りかかっていたりしても背骨は丸まりやすくなります。

 

▼座り時間が長い影響・・・肩こりや腰痛の要因になる

 

デスクワークのかたは経験者が多いと思います。

これは動きが少ない状態が続くことで血液循環が悪くなり、疲労物質が排出されにくくなることと、座り時間が長いことで定着する姿勢の影響の両面から生じます。

筋肉は同じかたちを維持していることが苦手です。

かたちを変えずに同じ筋繊維の長さが続くと固まってしまい、動きにくくなります。

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筋肉中には血管があり、血流があるものなので、筋肉の動きがなければ血管の動きも血流も少ない状況が続きます。

それが疲労物質をためたり酸素が不足したりして、凝りとしてあらわれてきます。

座っていれば下半身の筋肉が動く機会がなく、足元からの血流が悪く足の筋力もカタく弱くなっていきます。

姿勢の面で頭を前に出したかたちが長ければそれが定着し、その重さを首や肩の筋肉が支えることになります。

下半身の筋肉の働きが悪くなれば骨盤の位置も変わってくることがあり、腰の負担や股関節のカタさへとつながることがあります。

 

▼座り時間が長い影響・・・心的に疲労がかかる

 

座り時間が長い生活は精神的な疲労度が高くなり、うつ状態になる割合も高くなるとされています。

精神的な健康には運動が必要という提案がありますが、反対にパソコンの利用時間やテレビの視聴時間といった、座りっぱなしの時間が短いほうが抑うつ度が低下するといわれます。

デスクワークで残業時間があまりながくない職の方と、営業職や外で仕事をするような、ある程度身体を動かして残業が多い職の方を比べると後者の方が精神的な健康が保たれていることが多いようです。

残業に対しての取り組みは企業それぞれですが、精神的な健康面では残業時間がある、なしではなくその内容によって変わるということが考えられています。

 

●座っているときの筋肉と関節の負担について

 

血液循環がよい、成分がよい、精神的な健康は専門医の見解、診断が必要だと思いますので、筋肉や関節といった面から見ていきます。

業務内容によって様々だと思いますが、下記の画像のように座っているとしましょう。

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この時の骨格はおそらく次のようなかたちになっています。

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気になる部分の一つ目は頭の位置です。

いろいろなところで出てくる数字ですが、頭の重さは体重の8%~10%とされています。

負担の少ない理想的な姿勢というのは横方向から見たときに肩の位置と耳の位置が同じライン上にあることです。

頭が下にさがれば肩のラインからはずれてしまい、その頭が背骨から落ちないように支えている役割をしているのがそこにつながる筋肉です。

頭の支えているということはその重さに抵抗するための筋力と負荷がかかっていることになります。

そして支えたまま動きの少ない状態が続けば血流は悪くなり、やがてコリとしてカタくなっていきます。

もう一つは骨盤周りの筋肉です。

画像のような姿勢は骨盤が後ろ側に倒れた後傾というポジションになっています。

さらに座り方によっては過度な後傾です。

股関節が深く曲がれは後傾の方向にいくものですが、座り方によって過度な後傾になり、さらに座ったまま動かなくなればそこに関わる筋肉は働きが低下します。

カタくなった筋肉は伸びにくくなり、骨盤の後傾が優位になります。

また、後傾方向に倒れることにより、対になる、前傾に働く筋肉は後傾に動く骨盤を止めるためにストレスがかかります。

それが股関節を動かしたときに引っ掛かるような違和感につながるなど、姿勢にも動きにも不具合を生じる要因となることがあります。

 

●出来る範囲で座りすぎの対策を

 

デスクワークで肩こりや腰痛といったことがあっても仕事を辞めるわけにはいきません。

対策としては次のようなことがあげられます。

・小まめに立ち上がる、動く

許される範囲だと思いますが、30分~1時間に一回は座っている状態から身体を解放するために立って身体を動かしましょう。

在宅勤務で周りの目が気にならなければ意識してパソコンから離れることもできるかもしれません。

職場ではコピーをとりにいく、トイレに行く、フロアを移動するなどその時に状況によるかもしれませんが、動いたことで体内の血流がよくなり仕事の効率が上がるかもしれません。

・座らないデスクに変える

パソコン業務は座って目線をさげて行うことが多いものです。

そこでスタンディングデスクという高さのあるデスクへの切り替え、椅子に座らない環境設定をすることも対策になります。

デスクの高さを上下させることもできるタイプもあるので使い勝手よいものもあると思います。

また、外付けのモニターを目線の高さに合わせるということも、目線と頭を下にさげない方法です。

・移動では立つ、歩く

職場で座りっぱなしで首も肩も凝ってしまい血行不良。

そして電車の中では着座となればさらに座っている時間が長くなります。

通勤手段が電車ということであれば駅ではエスカレーターに頼らず階段を使って筋肉に力を発揮させる機会を与えましょう。

もちろん立っていることで身体に負担がかかるというときには座って休むという手段を選択しましょう。

 

●ストレッチで動きが少ない身体を復活

 

座り時間が長い時行いたいおすすめのストレッチを紹介します。

デスクワークが長い時にはオフィスでできるものは積極的に行いましょう。

立位でも椅子に座ったままでもできるかたちで実施できるとよいと思います。

また、座り時間が長く身体がカタく、丸まったまま1日を終えるのでなく、就寝前などに行ってメンテナンスをしておくことで、翌日に筋肉の動きの悪さや姿勢の悪さをできるだけ持ち越さないようにしましょう。

狭くなりやすいお腹と腰を伸ばす腰方形筋のストレッチ

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前に丸まった上半身を広げる大胸筋のストレッチ

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座って硬くなった太ももの裏を伸ばすハムストリングのストレッチ

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座りっぱなしでのむくみ対策にふくらはぎの腓腹筋のストレッチ

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あまり難しくないものを紹介しましたが、できるのであれば極力、身体全体を行いましょう。

 

●まとめ

 

座り時間が長いというとデスクワークを中心に見ていくことになりますが、長時間、座ったままテレビを見ている、スマートフォンを操作しているといったこともその時間に含まれます。

気がついたら何時間も経っていたということもあるかもしれませんが、その間に身体の筋肉の出力やバランス能力は低下していきます。

休みの日には身体を動かすようにしていることがあればそれは続けながら、極力、座っている時間にも立つ、動くという間を作っていくことが体力の衰えや病気の予防にもなると知っていただければと思います。

・日本人は座り時間が長く、疾患の原因にもなる。

・座り時間によって姿勢や関節の動きにも影響する。

・デスクワーク以外にも座り時間が長くないか注意。

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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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