
このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。
今回のテーマは「身体を守る免疫細胞」です。
●花粉症でも免疫力の低下はリスク
そろそろ花粉症の時期で、症状をお持ちの方はしばらく辛い思いをする方も多いと思います。
2024年1月の調査では2人1人が花粉症という報告がありました。
少ないものでも4人に1人という報告も出ています。
この症状は我々が持つ免疫力によるものです。
しかし免疫力がなくなればよいということにはいきません。
5年前の2020年に新型コロナウイルスによるパンデミックがはじまり、免疫や抗体といった言葉をよく耳にしました。
私たちが生活する職場や家の中、外の環境にはウイルス、細菌、ほこりなどさまざまものが存在しています。
これらは人にとっては異物と判断されるものです。
体内に入り込むと病気になったり、命の危険を伴うこともあります。
こうした異物、外敵とされるもの、病気のもとである病原体から身体を守っているものが免疫というシステムです。

免疫機能は現代では病原体と戦う機能、一度かかった病気にはかからなかったり軽症で済んだりすることととらえられます。
新型コロナウイルスによるパンデミックのように、歴史上、さまざまな病気が広がり、収束していくということがあり現代に至ります。
14世紀にヨーロッパではペストが大流行したとされていて、ヨーロッパの全人口の3分の1から3分の2の死者が出たと推測されています。
患者の看護にあたったキリスト教騎士や修道士たちがおり、その中で感染しながらも助かった人たちは、その後ペスト患者との接触があっても症状は軽く済んだとされています。
当時は「神のご加護」としてとらえられていたようです。
その後、この現象は免疫機能によるものだとわかるまでに600年近くかかり、今ではワクチンによる免疫反応を利用した防御策がとられることになっています。
免疫力の低下とは病原体と戦う力が弱くなってしまったということです。
細菌やウイルスが侵入しても対抗できなくなってしまうことで風邪などにかかりやすくなり、その病気が治りにくくなります。
そのほか、生活習慣病、アルツハイマー病、胃潰瘍、がんなども免疫細胞の働きが弱くなると発症しやすくなります。
●それぞれ働く免疫の種類
▼自然免疫と獲得免疫の役割
免疫には大きく分けて自然免疫と獲得免疫があります。
自然免疫は生まれながらに持っている免疫反応です。
異物から身体を守る最初の防御壁は皮膚や粘液です。
皮膚は異物の侵入を物理的に防ぎ、唾液や涙などの粘液は殺菌作用で異物に対応します。
これらを突破されると自然免疫が働きます。
生後に備わるものが獲得免疫でB細胞、T細胞というものが働きます。
B細胞は白血球のうちのリンパ球の一種で、病原体に抗うための抗体をつくります。
T細胞は病原体についての記憶を持つので、2度目以降、外敵が入ってきたときには素早く反応します。

免疫機能において白血球は中心となる大事なものです。
白血球は血液中の成分の1つですが、いろいろな種類が存在します。
単球、リンパ球、顆粒球という3種に分かれ、さらにそれぞれが数種類に分かれています。
単球は自然免疫にあたり、白血球のなかでもっとも大きな細胞群で、マクロファージと樹状細胞があります。
マクロファージは異物をなんでも食べてしまう「貪食細胞」と呼ばれます。
樹状細胞は異物と食べてその情報を記憶して、他の細胞に伝える役割をします。
リンパ球は血液とリンパ管を行きかう細胞群です。
NK細胞(ナチュラルキラー)、T細胞、B細胞が存在します。
NK細胞は自然免疫に含まれ、T細胞、B細胞は獲得免疫にあたります。
顆粒球は殺菌作用のある顆粒を持つもので好中球、好酸球、好塩基球があります。
これらは自然免疫に含まれます。
好中球はマクロファージとともに自然免疫の中心的な役割で細菌を食べます。
食べた後は死んでしまい、その死骸が膿となって残ります。
ケガをしたときに傷口に残るのは闘った後の免疫細胞の死骸なのです。
▼免疫細胞の連携が身体を守る
病原体が体内に侵入すると、まずは自然免疫が働きます。
貪食細胞であるマクロファージや好中球が病原体を食べて駆除を試みます。
そこで対応しきれない場合は他の免疫細胞に助けを求め、マクロファージが病原体の侵入を知らせ、樹上細胞は病原体の情報を知らせます。
自然免疫の次に出番がくるのが獲得免疫です。
その一つのT細胞は、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、サプレッサーT細胞があり、それぞれに役割を持ちます。
ヘルパーT細胞は侵入者の存在を知り、それを異物と判断すると攻撃命令を発します。
キラーT細胞は発令によってB細胞が作った抗体とともに病原体を攻撃します。
病原体を倒すとサプレッサーT細胞が攻撃終了の合図を出します。
闘う白血球の1つであるNK細胞は攻撃命令がなくても独自に活動します。
ウイルスに感染した細胞やがん細胞などの破壊するように働いています。
B細胞は病原体を記憶し、再度病原体が侵入した際に最適な抗体をつくります。
一度かかった病気にかかりにくいのはB細胞の働きによるものです。

▼免疫細胞が育つ場所
骨は造血作用があり赤血球や白血球といった血液細胞は内部の骨髄でつくられます。
免疫機能の主であるリンパ球のB細胞、T細胞も骨髄で生まれます。
骨髄で生まれたB細胞はそのまま骨髄で成熟します。
骨髄(Bone marrow)由来のB細胞です。
T細胞は胸腺に行き、胸腺内で成熟します。
胸腺(Thymus)由来のT細胞となります。
リンパ球を育てる場所をリンパ組織といい、リンパ組織を出たリンパ球は血管とリンパ管を通って全身を循環しています。
胸腺は10代で最も大きくなり、加齢とともに縮小します。
80代では半分ほどの大きさになるためT細胞の成熟に影響が起こるため、高齢になると免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなると考えられています。
●免疫は自己と非自己に対して働くもの
▼免疫がもつ判断力
病原体、異物を判断する能力により私たちの身体は守られています。
病原体に対して防御する、攻撃するといった、非自己に対する働き、自分の体、自己に対する働き、さらに本来起こるべき防御反応を起こさずに許容する、非自己に対して寛容になる働きができます。
自分とは異なるものはウイルス、細菌、ほこりや花粉といったもので、それを外敵ととらえます。
自己に対する反応では自分の身体がもつ細胞などを排除しようとします。
これは自己免疫疾患と呼ばれ、関節リウマチや橋本病といったものがあげられ、ほとんどすべての組織や臓器が攻撃の対象になります。
非自己を認識せず攻撃対象にしないものには妊娠免疫があります。
母親にとっての胎児は父親側から遺伝子の半分を受け継いでいるので、移植された臓器と同様で非自己にあたるものです。
母体には胎児に対しての免疫反応を弱めるように、免疫細胞が働くと考えられています。
これにより胎児は母親が持つ免疫細胞からの攻撃から逃れて成長していきます。
▼免疫力が働き過ぎると・・・
免疫機能の低下は病気の発症につながるものですが、過剰に働くことでアレルギー反応が起きたり、自分の正常な細胞まで傷つけてしまうことがあります。
この時期から症状が出やすい花粉症はまさに抗体が過剰につくられることで起こるものです。
蜂に刺されてショック症状を起こすアナフィラキシーもアレルギー反応にあたります。
細胞が他の細胞に情報を伝えるときに、サイトカインという物質を出します。
これが過剰に発生すると身体に炎症反応が起きます。
血栓ができやすくもなり、心筋梗塞、脳梗塞といった症状を引き起こす場合もあります。
このような免疫の過剰反応は衛生環境が整ったことにより現れたものともいわれています。
●抗体の活動を促す抗原
自然界には多種多様な抗原が存在します。
感染症の原因になるウイルスや細菌、花粉は異種タンパク質といわれる抗原です。
T細胞やB細胞が持つ抗原レセプター(受容体)、あるいは抗体によって認識されるものが抗原と呼ばれます。

抗原にも種類があります。
おなじみのウイルス、細菌、カビなどは人とは異なる異種抗原。
人同士でも輸血や移植に関連するもの、同じ動物間でも遺伝的にことなるものは同種抗原。
自分の組織や細胞由来のものは自己抗原です。
人と無関係な抗原に対して自己抗原が誘発されることがあります。
感染症を起こす菌のである、化膿レンサ球菌が持つタンパク質の1つがヒトの心筋のタンパク質と共通の抗原性を持つことがわかっています
非自己である細菌に対して抗体をつくる一方、自己の心筋に対しても反応して自己免疫疾患の発症への関連もあるといわれます。
●まとめ
免疫は私たちの身体に知らぬ間に侵入した外敵と日々闘っている存在です。
時に暴走してしまったり、また生活習慣などによりその力が発揮できないことが起こるとされています。
「健康的な生活を送っているから病気にならない」を身体の仕組みからみると、「免疫細胞が保たれる生活をしているから病気にならない」のかもしれません。
・免疫には自然免疫と獲得免疫がある。
・白血球には数種類ありそれぞれ役割がある。
・免疫は病原体を判断する能力で身体を守っている。
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ストレッチ専門店ストレチックス
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本部著書&公式ブログ 監修・執筆
本部研修トレーナー 渡辺 久進
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